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第331回

マキシム・ジャパン(株) 代表取締役社長 林孝浩氏


自動車、メディカルに注力
ブロードマーケット拡大

2019/7/12

マキシム・ジャパン(株) 代表取締役社長 林孝浩氏
 マキシム・インテグレーテッド(米カリフォルニア州)は、1983年の創業以来、様々なアナログ、ミックスドシグナルICを製造・販売している。オートモーティブ(自動車)、インダストリアル(産業)に加えて、近年はヘルスケア・メディカル分野への進出を加速している。2009~14年の米国本社勤務を経て、18年末からマキシム・ジャパンの代表取締役社長に就任した林孝浩氏に、日本市場の取り組みと今後の戦略を聞いた。

―― 業績は順調に拡大しています。
 林 18年度(18年6月期)は売上高が24億8000万ドル、営業利益は8億3300万ドルで、前年度に続き増収増益を達成した。粗利益率も18年度は65.6%まで改善しており、営業利益率については17年度と18年度は30%を超えている。19年度も期初は販売が好調だったが、第2四半期(18年10~12月)以降は米中貿易摩擦の影響でインダストリアルなどの成長が鈍化している。

―― 自動車の比率が上昇しています。
 林 18年度の製品ポートフォリオは自動車が20%、産業が28%、通信&データセンターが20%、民生が27%、コンピューティングが4%だったが、現在は自動車の比率が25%まで増えている。自動車分野には約15年前から本格参入しているが、マキシムでは自動車、産業、通信&データセンター、民生の4つを戦略的ターゲットに位置づけている。

―― 自動車向けのソリューションは。
 林 自動車の電動化が進むことで、搭載される電子部品の点数は急増している。例えば、ADAS(先進運転支援システム)向けセンサーは1台あたり10~20個使われるが、自動運転車になると30~40個のセンサーが必要になる。センサーが増えれば、比例してSoCやマイコンの数も増えるため、電源ICによる省エネ対策が必須になる。マキシムは高効率電源ICを提案することで、自動車の省エネに貢献している。

―― 自動車向けの新製品は。
 林 最近では、超小型パワーマネジメントICがソニーの車載用カメラモジュールの電源ICとして採用されたが、今後もADAS関連で新製品が相次ぎ登場する予定だ。ADASでは電源ICや車内用通信ICのGMSL(ギガビットマルチメディアシリアルリンク)に期待している。マキシムは10年前から、車載安全性要求レベルで最も厳しいとされるISO26262規定のASIL―Dに準拠できる高レベルの安全性を保証するなど、自動車向けソリューションでは長い経験と実績がある。

―― ヘルスケア&メディカルも強化しています。
 林 富士通のシニア向けスマートフォンに採用された心拍数センサーICでは、スマートフォンに内蔵したセンサーで簡単にストレスチェックや血管年齢の測定ができる。高齢化が進む日本では、このような病気の予防に役立つソリューションがますます重要になる。
 ヘルスケア&メディカルで今後着目しているのは、ディスポーザブル(使い捨て)の医療機器だ。医療機器に認証機能を内蔵することで、医療ミスの抑制が期待できる。マキシムは独自の認証技術を多数保有しており、今後、日本市場でも本格的にヘルスケア&メディカルを立ち上げる予定だ。

―― 日本市場の戦略は。
 林 今のところ、日本市場では自動車と産業の比率が大きいが、今後はヘルスケア&メディカルを本格的に立ち上げていく。さらに、ブロードマーケットにも力を入れる。自動車などは特定の顧客、特定のニーズに対応した“点”の戦略が重要だが、一般的なアナログ製品では、幅広いニーズを掘り起こすために“面”の視点が必要になる。契約販売代理店を活用したブロードマーケットの拡大を図るとともに、問題提起型のアプローチで戦略的に日本市場を開拓していく。

(聞き手・松永新吾記者)
(本紙2019年7月11日号1面 掲載)

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