商業施設新聞
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No.706

シンポジウム、無事閉幕


松本 顕介

2019/5/21

 (株)商い創造研究所代表取締役の松本大地氏による、本紙人気連載コラム「商いの新しいものさし」が今年4月に連載100回を迎えたことを記念し、4月12日に商業施設新聞主催で特別シンポジウムを開催した。この連載は2011年1月からスタートし、月1回掲載のペースで足かけ8年、4月に100回を迎えたのだった。100回という大きな節目なのだから、思い切ったイベントにしたいと思案を重ねた結果、本紙と商い創造研究所の共同企画で、2013年から続けているポートランドを中心とした米国視察の視察団長の方々に、特別ゲストとしてご講演していただくというものだ。視察団長は、こちらからお願いして務めていただいており、社長や会長という企業のトップの方々ばかりで、無謀とも思える企画だったが、皆さん快く引き受けていただいた。

トークセッションのようす
トークセッションのようす
 お名前を挙げると、(株)東急百貨店代表取締役社長の大石次則氏、九州旅客鉄道(株)事業開発本部まち創造担当部長の小池洋輝氏、メーカーズシャツ鎌倉(株)取締役会長の貞末良雄氏、三井不動産商業マネジメント(株)代表取締役社長の青柳雄久氏、(株)生活の木代表取締役社長の重永忠氏、JR西日本SC開発顧問の山田宗司氏という、そうそうたるメンバーが揃った。当初は今後の商業開発や業態動向、令和にふさわしい新機軸などを、一聴講者としてじっくり聴けるものとたかをくくっていたのだが、打ち合わせのなかで話が急展開し、トークセッションのコーディネーターという、相当な大役を仰せつかってしまったのである。

 当日は講師陣と並んで座り、トークセッションのネタに、それぞれの講演でキーワードを聞き逃すまいとメモを取った。さすがである。それぞれの発表が非常に示唆に富むもので、大いに勉強になった。続いてトークセッションへと移り、いよいよ私の出番となった。青柳社長と貞末会長が所用のためお帰りなられ、トークセッションには参加されず5人によるものとなった。トークセッションでは「SCはどうなるのか」「ECとリアル」「地域密着と街づくり」をお題にした。時間が押していることもあって、本来ならばもっと相手の答えに対して返しをしたり、その答えに対して「○○さん、どう思われますか?」など別の人に振るといった、まるで遠い逆サイドにパスを出すかのごとく、客席を「おおっ!」と思わせるような展開や小気味良いリズムが必要なのだが、極めて淡白に終わってしまった。聴講した本紙記者からも「返しがもっとあって、キャッチボールを期待していました」と、手厳しい意見をちょうだいした。「○○さん、それはこれでしょ?」とたたみかける「朝まで生テレビ」の田原総一郎氏のようにはなかなかいかないものだ。

 コーディネーターの仕切りはいまひとつだったが、トークセッションの内容はとても意義深く濃密だった。聴講者のアンケートでも「満足した」「次の動向がよくわかった」といった意見が大半を占め、まさに“令和のビジネス”のヒントになったのではないかと実感した。次回もこういう機会があれば是非また開催したい。ただし、コーディネーターはもっと猛練習を積むか、別の人がやったほうがいいかもしれない。
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