約1年前から映画鑑賞がマイブームとなり、月2~3回は映画館に足を運ぶようになった。その延長線で映画館の機能に関心を持つようになり、作品のジャンルによってスクリーンを使い分けて鑑賞している。そうして調べてみると、福岡市が“映画館の最先端都市”であることが分かったのである。
従来の映画館といえば、真っ暗な空間で大画面スクリーンを眺めるという鑑賞方法が一般的だった。しかし、ここ5年ぐらいで立体的に映像が飛び出す3D映像に対応したものや、3Dに加えてシーンと連動してイスなどが揺れる4DXなどの最新技術を駆使したスクリーンが全国的に増加傾向にある。
その中でも、2018年から福岡市内には大阪にもないような映像音響技術を取り入れたシアターが続々と登場し、今や東京に次ぐ映画館の最先端都市になりつつある。
例えば、18年11月、博多駅ビル商業施設「JR博多シティ アミュプラザ博多」内にある「T・ジョイ博多」では、日本で初めて「ドルビーシネマ」が導入された。機能としては、最先端の光学・映像処理技術を採用したドルビービジョンとシアター内を縦横無尽に音が移動するドルビーアトモスによって、鮮明な映像とよく響く音の中で映画を楽しむことができる。筆者もこのスクリーンで『クリード炎の宿敵』を鑑賞したのだが、パンチ音や観客の声援も立体的に聞こえ、作品の面白さに映像美や躍動感ある音響が加わり、2重の感動を味わえた。
ちなみに「ドルビーシネマ」については今後、埼玉県にある「MOVIXさいたま」や大阪の「梅田ブルク7」にも導入される予定だそうで、関東圏や関西圏でもこのシアターの没入感を楽しむことができる。
「ユナイテッド・シネマ 福岡ももち」に導入された「Screen X」
また、同じ18年11月に福岡市内にオープンした「MARK IS 福岡ももち」に入る「ユナイテッド・シネマ 福岡ももち」には九州初となる「Screen X」と呼ばれるシアターが導入されている。特徴は、正面のスクリーンだけでなく、両側面にも映像が投影され、270°の視界すべてで鑑賞することができる点だ。これによって、従来以上に立体的に映画のシーンを映し出すことができ、観客が作品の世界観に飛び込んでしまったかのような没入感を体感することができる。特にこの施設の内覧会の際に鑑賞した18年の大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディー』のライブシーンは、観客の中にいるかのような臨場感があり、最適の視聴環境のひとつと言えるだろう。
福岡市に出張や旅行に行った際には、市内観光はもちろん、映画館巡りをしてみるのも面白いかもしれない。