商業施設新聞
新聞・情報紙誌のご案内出版物のご案内広告掲載のご案内セミナー/イベントのご案内
No.684

侮れない商店街


山田 高裕

2018/12/4

 「商店街」という言葉から、どのようなイメージを想起するだろうか。近年では「過去の遺物」や「シャッター通り」というネガティブなイメージが出てくることが多いかもしれない。事実、多くの地方都市ではスーパーマーケットや商業施設に客を奪われ、完全なシャッター通りと化した商店街は少なくない。しかし、そういったイメージとは異なり、独自の強みや特徴を発揮して客を集める商店街もいくつかある。

 例えば、上野のアメ横商店街などはその典型だ。アメ横では日夜、平日休日関わらず人があふれ、古着屋や立ち飲み屋などが盛況だ。若者やインバウンド客も多く、飲み屋の路上席からはいつも楽しそうな声が聞こえてくる。観光客が多いと言えば、日暮里駅近くの谷中銀座も有名だ。街並みのレトロな雰囲気が人気で、訪れるインバウンド客も多いという。

 特色のある商店街では、中野サンモール商店街や吉祥寺サンロード商店街などが外せないところだ。映画や音楽、サブカルチャー関連の店が多く、特に中野は中野ブロードウェイと一体となった街として、サブカルチャーの聖地的な役割で知られている。

 地域住民に徹底的に訴求し、がっちりと需要を掴んでいる商店街も多い。その代表とも言える板橋区・大山駅すぐの大山ハッピーロード商店街は、地元客の人通りが多く、赤ちゃんからお年寄りまで「一生づきあいします」をコンセプトに地域密着を進めている。店舗は、地元商店からナショナルチェーンまで幅広く出店し、普段使いの需要を掴んでいるようだ。また、新小岩駅南口の新小岩ルミエール商店街も、約140店の普段使いの店舗を揃え、平日の日中から地元客にあふれている。

元気寿司新業態が出店した大山ハッピーロード商店街
元気寿司新業態が出店した
大山ハッピーロード商店街
 また商店街には、地元商店や個人商店だけではなくナショナルチェーンも豊富に出店している。特にドラッグストアは地元客からインバウンドまで幅広く集客しており、人気が集まる店舗だ。また外食の都市型店舗の出店先としても有望で、例えば元気寿司は、テイクアウトの新業態「元気寿司SELECT」の1号店を大山ハッピーロード商店街に出店しており、新業態のベンチマーク先として選ばれることもあるようだ。

 こうした活気ある商店街に共通する特徴は、それぞれ独自の強みやコンセプトを持っているということだ。インバウンドや観光客向けだったり、特定の分野に強い店舗が集まったり、地元客に徹底していたりと特色があり、それに基づいた客層を獲得している。こうした集客策は、昨今の商業施設に求められる要素と共通している。オーバーストアが叫ばれる現在、ショッピングセンターなどは集客に苦戦しているところもある。今もなお進化を続け、人々を魅了する商店街には、学ぶべき点も多くあると思う。

 かつては商業施設に人を奪われるばかりであった商店街だが、今生き残っている商店街は、商業施設の立派な競争相手として肩を並べる存在になっているようだ。
サイト内検索