筆者の大好物は卵である。とりわけ好きなのは生の卵かけごはんであり、これを食べていればもはや有頂天といってもいいほどだ。もちろんハムエッグも大好物であり、チャーハンも、かつ丼も、みな卵を使った食品はことのほか好みである。かかりつけの医師にこの数年間ひたすら言われていたのは「あなたの卵好きがコレステロールを上げる。できれば一切食べないようにしなさい」ということだ。それでもこっそりと週に2~3回は卵を食べてしまっていた。
ところが、である。最近の医学の学説によれば「卵の摂取とコレステロールには何の因果関係もない。9割のコレステロールが肝臓で作られるからだ」と言われ始め、これがまさに世界の常識となってきた。そしてまた手のひらを返したように、かのかかりつけの医師も最近になり、「君は何をやっているのだ。もっと卵をどんどん取れ。卵こそ世界最高レベルの健康食品なのだから」といわれ、頭がブチ切れそうになった。
さらに加えて言えば、筆者は少し太り気味の男であるからして、これまでもあらゆる医師が「肉をできるだけ食うな。あれは脂肪の塊だから食べ過ぎると体に悪い」とひたすらうるさく言ってきた。最近になって文藝春秋を読んでいたら、それはとんでもない間違いだという世界の定説が出てきたようだ。牛肉や豚肉はビタミン、蛋白質など栄養に富み、これまた最高レベルの食品と認定されてきたという。体につく脂肪のほとんどが炭水化物によるものであり、肉と太った体にはほとんど関係性がない、と言ってやがるのである。
それはともかく、世界最高記録の122年を生きた女性は何を食べていたか。簡単に言えば、カカオたっぷりのチョコレートを大量に食べていたのである。カカオに含まれるポリフェノールが間違いなく彼女を長生きさせた、と多くの学者たちが言っておられるのだ。長生きをしたければ、チョコレートをひたすら食べるに限る。ただし、とても甘いチョコレートは糖分がいっぱいであるからして、カカオ70%のチョコレートを板チョコ3分の1ぐらい食べるがよしと言われ、筆者はこれを実行している。
また、ワインは大嫌いな酒であったが、白ワインはすべての長寿の宝物とさえ言われていることを知り、1日120ccくらいは飲んでいる。驚くなかれ、白ワインを飲み続ければ体重は確実に減る。血糖値も血圧も下がるのだ。それに加え、元気のなくなった下半身にも怒気が蘇るのだ。このことを酒席で言ったところ、多くの男たちはこれからは全部白ワインにしようと叫んでいた。
体を老化させている物質はAGEといわれるが、これを退治する食品は世にあふれている。それらはブルーベリー、生のマグロ、コーヒーなどであるが、AGEを徹底撃退する最高ゴールドランクの食品はなんであるか、皆さまはご存じであろうか。それはウナギである。週に1回ウナギを食えば100歳以上の長寿は間違いなし、とさえ言う医師がいるのだ。ただ高価であるのでコストがかかるのは致し方ない。
こうした長寿につながる食料品のことを調べていたら、企業の長寿にも共通するところがあるな、と考えるに至った。100年企業を目指すならば、要するに会社中にいる老化物質、すなわちAGEを徹底的に排除し退治してしまえばよいのだ。「それは年取った社員はみな首にしてしまえ、ということですか?」とある会社の若手のサラリーマンに言われたが、筆者は心の中で、「お前こそが老化物質だ」とつぶやいていた。
ウナギは老化物質をやっつける食品の
チャンピオンだ!!
何事も先送りし、決してすぐにはやらない。アクティブな企画案が出れば、必ずといってよいほど反対する。お追従だけはうまいが、陰で悪口を言いまくる。人の顔色ばかり見て仕事や社会の本質を見ない。こうした輩に限ってその上司が怒号を発して「この腰抜け野郎!根性腐ってんじゃねえの!!」と言えば、かの男は小さく手を挙げて「怒鳴るのはやめてください。みんなが厭な気持ちになっているではないですか」とのたまうのだ。かの上司は仕方なく静かになるが、心の中で「そういうおまえが一番厭な気分にさせているのだ」といつも言っているというのである。(企業100年計画ニュースより転載)
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泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 社長。著書には『自動車世界戦争』、『日・米・中IoT最終戦争』、(以上、東洋経済新報社)、『これが半導体の全貌だ』(かんき出版)、『心から感動する会社』(亜紀書房)、『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』(産業タイムズ社)など27冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。