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商工中金、中小企業設備投資動向調査公表、18年度設備投資実施企業は34.4%


2018/5/1

 (株)商工組合中央金庫は、中小企業設備投資動向調査をまとめた。これによると、2017年度実績見込みは、実施(設備投資「有」)企業割合は全体の53.1%で、前年度実績見込みの51.4%から増加し、07年度以降では最も高い割合となった。17年度当初計画からの上方修正幅は20.6ポイントで00年度以降の上方修正幅の平均(20.4ポイント)並み。設備投資を実施しない(設備投資「無」)企業の割合は46.9%。18年度当初計画についてみると、設備投資「有」が全体の34.4%。前年度当初計画の32.5%を上回った。「未定」は35.6%、「無」は30.0%となった。

 製造業では17年度実績見込みは、設備投資「有」企業が64.3%。小幅ながら2年ぶりの増加となった。18年度当初計画は、設備投資「有」が40.3%で、おおむね前年度当初計画(40.2%)並み。「未定」は39.4%、「無」は20.3%となる。

 非製造業の17年度実績見込みは設備投資「有」企業が47.1%。前年度実績見込み(44.8%)を上回り、07年度以降では最も高い割合。18年度当初計画は、設備投資「有」が31.3%。前年度当初計画(28.4%)を上回り、09年度以降では最も高い割合。「未定」は33.5%、「無」は35.2%。

 17年度実績見込みの、設備投資目的の上位をみると、「設備の代替」47.2%、「増産・販売力増強(国内向け)」29.4%、「維持・補修」29.1%の順。16年度実績と比べて割合が変化したものは、増加では「情報化関連」(プラス3.0ポイント)、「合理化・省力化」(プラス3.0ポイント)など。一方、割合が減少しているのは「地球環境問題への対応」(マイナス0.6ポイント)など。

 18年度当初計画の投資目的の上位は、引続き「設備の代替」49.2%が最多。以下、「増産・販売力増強(国内向け)」31.0%、「維持・補修」27.8%の順となっている。17年度実績見込みと比べて割合が変化したものは、増加では「増産・販売力増強(輸出向け)」(プラス2.1ポイント)、「設備の代替」(プラス2.0ポイント)など。一方割合が減少しているのは「製品の品質向上」(マイナス1.4ポイント)など。

 16年度実績から18年度当初計画まで2年続けて割合が増加しているのは「増産・販売力増強(輸出向け)」、「設備の代替」など。反対に割合が2年続けて減少しているのは「福利厚生」。

 全産業の設備投資額の増減率は17年度実績見込みで前年度実績対比プラス3.7%となった。実績見込み時点としては2年ぶりのプラスとなった。当初計画(マイナス27.7%)からの上方修正幅は31.4ポイントで、過去平均(00~16年度平均)の32.6ポイント並み。18年度当初計画は、17年度実績見込み対比マイナス21.6%。当初計画時点でみると比較的小さいマイナス計画。

 設備投資額の17年度実績見込みのうち、製造業は前年度実績対比プラス16.4%。非製造業の17年度実績見込みは同マイナス4.4%。前年度実績対比では4年続けてマイナスとなった。

 設備投資額の18年度当初計画のうち、製造業は前年度実績見込み対比マイナス29.9%。前年度当初計画(同マイナス22.7%)から低下。非製造業はマイナス15.1%(同)で、前年度当初計画(同マイナス31.5%)から大きくマイナス幅が縮小する。

 17年度実績見込みで設備投資を実施しない理由の上位は、「現状で設備は適正水準」65.7%、「景気の先行き不透明」18.6%、「借入負担が大きい」11.6%など。16年度実績比で上昇したのは、「必要な人材が確保できない」(プラス3.7ポイント)など。

 18年度当初計画では、引続き「現状で設備は適正水準」が65.6%で最も多く、以下「景気の先行き不透明」18.0%、「借入れ負担が大きい」9.7%の順。17年度実績見込み比で上昇したのは、「金利水準が高い」(プラス0.2ポイント)など。

 16年度実績から18年度当初計画まで2年続けて割合が上昇しているのは「金利水準が高い」となっている。反対に割合が2年続けて減少しているのは「景気の先行き不透明」、「現状で設備は適正水準」となっている。

 1社あたりの設備資金調達構成比を単純平均した結果をみると、17年度実績見込みの全企業平均は「金融機関借入」が47.5%、「手元資金」が45.1%。16年度実績と比較すると、金融機関借入の割合は前年並み。18年度当初計画の全企業平均では、「金融機関借入」が54.1%で、17年度実績見込みを6.6ポイント上回った。例年、「金融機関借入」の割合は計画の具体化途上の段階では高めに出る傾向があるため過去の当初計画と比較すると、12年度51.8%→13年度52.6%→14年度51.6%→15年度51.6%→16年度52.6%→17年度54.6%。18年度は過去と比べても金融機関借入の割合がやや高い。
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