紅葉の京都はとんでもなくすばらしい。古都の風情と色鮮やかな紅葉が相まって独特な雰囲気を醸し出している。町屋でうまい日本酒をひっかけながら京都の街を歩いていると、クラクラしてあまりの愉楽に頭がかっ飛びそうになることもままあるのだ。
それはともかく、今年も京都の秋を飾る一大イベントである「NEDIA電子デバイスフォーラム京都」(主催:日本電子デバイス産業協会 略称NEDIA)が11月1日(水)~2日(木)の2日間にわたり開催される。これは電子デバイス関連のカンファレンスとして西日本最大のもので、動員数は約1000人を誇っており、今年は申込数が前年をはるかに上回っている。
1日の午前に行われる基調講演には、ソニー半導体のトップともいうべきソニーセミコンダクタソリューションズの代表取締役社長の清水照士氏が登場し、「IoT社会の可能性を切り開くイメージセンサーの展望と課題」と題して講演される。また京都企業を代表してオムロンの日戸興史専務、日本データセンター協会の白川理事長も意欲的なスピーチをされることになっている。
そしてまた、業界のレジェンドと言われたいのに、トランプまがいの記者と呼ばれる泉谷渉も「半導体100兆円の時代がやって来た!!~フラッシュメモリー、各種センサー、製造装置で示す日本企業の存在感」というタイトルで講演をさせていただく。
今年の特徴は「メモリー新時代到来」というセッションを新設したことである。11月2日午後のセミナーでは、東芝メモリの先端メモリ開発センター技監の青地英明氏が「超大容量ストレージを実現する3次元フラッシュメモリー」について講演をされるが、これは必聴のものになるだろう。また、同じコースでマイクロンジャパンの服部昇氏が3D-NANDと3D-XPointの最先端メモリーについてお話をされるが、これまた聞き逃すことができないだろう。
1日午後のコースでは東京エレクトロンのドライエッチング、アルバックのTSVプロセスなどが語られ、そのほかにもReRAMの基本技術や研究開発最前線、強誘電体ナノ薄膜材料による不揮発性メモリーの新展開についても最新の報告がされることになっている。
11月2日の午前の目玉はマーケティングセッションであり、爆裂的なスピーチをすることで有名な野村証券の和田木哲哉氏が吠えまくることが予想される。この講演タイトルは「スーパーサイクルを迎えた半導体・製造装置業界」というものだ。また超ベテランのアナリストである南川明氏はIoT産業の最前線について話をされると聞いている。また、FPD業界のアナリストとしてNo.1の定評があるみずほ証券の中根康夫氏が、例によって徹底的なヒアリングに基づくデータを駆使してお話をされるだろう。
筆者も深くかかわるこのNEDIA電子デバイスフォーラム京都に多くの方のご来場を期待したいと思っている。初日の夜のレセプションでは、京都のあでやかな舞妓さんの踊りもご覧いただける。そしてまた、このレセプションには国内の電子デバイス業界のキーパーソンが一堂に会することになるため、情報交換の場として活用することもおすすめしたい。
参加費は1dayパスで一般2万4000円、NEDIA会員で1万8000円となっている。(ちなみに筆者はNEDIAの副会長の任にあり、泉谷渉の紹介と言っていただければ一般で3000円、NEDIA会員で2000円の割引が適用されるのでぜひ利用下さい)。
ちなみにこの京都フォーラムが終了すれば、その翌日の3日、4日、5日は3連休となっているため、少し京都に滞在されて「みやびの世界」を満喫されるのも一興と考えるが、いかがでしょうか。
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泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。30年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 社長。著書には『半導体業界ハンドブック』、『素材は国家なり』(長谷川慶太郎との共著)、『ニッポンの環境エネルギー力』(以上、東洋経済新報 社)、『これが半導体の全貌だ』(かんき出版)、『心から感動する会社』(亜紀書房)など19冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長 企画委員長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。