東京スカイツリータウンが5月22日に開業した。独立電波塔では世界最高の634mを誇る東京スカイツリーを中心に、施設内には水族館やプラネタリウム、そして東京都内では最大級となる312店が出店する商業施設「東京ソラマチ」を設けており、国内では最も話題性のある商業施設となった。東京スカイツリータウンは、国内だけではなく、外国からも注目される施設となるのは確実で、オープンからの5日間で、当初予想を上回る100万人が来場したという。
東京スカイツリーの陰に隠れるが、今年に入ってから首都圏を中心に大型商業施設の開店ラッシュが続いた。特に、ゴールデンウィークを控えた4月に入ってからは、13日に「三井アウトレットパーク木更津」、19日に「ダイバーシティ東京 プラザ」、25日に「イオンモール船橋」、26日に「渋谷ヒカリエ」がオープンした。今年のゴールデンウィークには、どこへ行こうかと迷った人が多かったであろうと想像がつく。
三井アウトレットパーク木更津(店舗面積2万8000m²)は171店、ダイバーシティ東京 プラザ(同4万5300m²)は154店、イオンモール船橋(商業施設面積6万1600m²)は158店、渋谷ヒカリエ(商業施設面積3万2000m²)は200店と、いずれも150店以上が出店する大型商業施設だ。長年、この仕事に携っているが、これだけの大型施設施設が立て続けに出店したのは記憶にない。
これら施設の特徴は、出店テナントの数だけにとどまらない。施設のカテゴリーも、高齢化に対応したシニアシフトの1号店であるイオンモール船橋、東急百貨店の新たな百貨店スタイルを追求した渋谷ヒカリエ、三井不動産による初めての大型で郊外型と言える三井アウトレットパーク木更津、東京・お台場にファストファッションを集積したダイバーシティ東京 プラザといったように、モール型SC、百貨店、アウトレットモール、大型商業ビルとバラエティ豊かで非常に特徴のある注目の商業施設ばかり。業界にも大きなインパクトを与えた。これに、東京スカイツリータウンを含めれば、観光スポットの“東京・一極集中”とも言える。
東日本大震災からまだ1年強しか経過しておらず、景気回復も鈍い状況からすると、この開発ラッシュは時代の趨勢に逆行する動きのようにも見える。一方で、流通関係者の間では震災後に消費行動が大きく変わったとも言われており、コンビニエンスストアやドラッグストアなどが大盛況となったのは記憶に新しく、流通各社の戦略にも変化せざるを得ない状況が出てきたのも事実である。
今回、オープンした商業施設の動向は、消費者動向を捉える意味でも注目される施設となるだろう。
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21万m²の広大な敷地に出店した「三井アウトレットモール木更津」 |
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ファストファッションを集積した、洒落た雰囲気の「ダイバーシティ東京プラザ」 |
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シニアシフト1号店となる「イオンモール船橋」 |
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