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No.38

ベトナム投資カンファレンス開催、フック首相が投資呼びかけ、安倍首相も挨拶


2017/6/27

フック首相(奥)と安倍首相
フック首相(奥)と安倍首相
 日本貿易振興機構(ジェトロ)、ベトナム計画投資省(MPI)主催による「ベトナム投資カンファレンス~日・ベトナム経済新時代に向けて~」が、6月5日に東京都内で開催された。来日したグエン・スアン・フック首相自ら基調講演を行い、ベトナムの現在、今後の投資・産業政策ビジョンについて解説するとともに、日本からの投資を広く呼びかけた。セミナーの最後には安倍晋三内閣総理大臣も駆けつけて、閉会の挨拶を行い、両国が連携して自由経済を着実に推進していくことを強調した。

 基調講演でフック首相は「日本とベトナムは自由な海洋によってつながっている隣国である」とし、「ベトナムと日本の信頼関係が向上することを願っている」と語った。ベトナムの人口は1億人に迫っており、若年層が多く、生産チェーンに参加できる人口が多い。今後、経済開放を進め、投資環境を円滑化する方針で、マクロ経済の透明性、競争力向上を進めていくとした。ベトナムの制度をオープンなものとし、透明性を向上させていく。国営企業の民営化も進めており、日本企業が戦略的パートナーとなる機会も増えているという。企業への出資比率の緩和やベンチャー企業の育成を進める方針で、「日本企業にベンチャーキャピタルを通じてベトナムのベンチャー企業への投資をお願いしたい」と語った。「両国の強い絆、深い関係が両国の発展につながっている」とし、ベトナムへの投資および支援の促進を訴えた。

 続いて、ジェトロの佐藤百合理事をモデレーターとしたプレゼンテーションおよびパネルディスカッションに移った。

 冒頭で、(株)三菱東京UFJ銀行の平野信行取締役会長が挨拶し、ベトナムでのビジネス展開を最大限サポートすることを強調した。

 モデレーターから、裾野産業が育っていない、従業員の賃金上昇、高度人材の不足、行政手続きの不透明さなどの問題提起がなされた後、住友商事(株)代表取締役社長CEOの中村邦晴氏、Towa Industrial Vietnam Co., Ltd. CEO代表取締役社長の渡邉豊氏、イオンモール(株)代表取締役社長の吉田昭夫氏が、それぞれの事業やそれに対するベトナムの状況などについてプレゼンテーションを行った。

 パネルディスカッションでは、ベトナム側からフック首相に加え、グエン・チー・ズン計画投資大臣、チャン・トゥアン・アイン商工大臣が参加し、ベトナムの自動車産業の方向性、サービス業の自由化、通商政策の方向性、農業の近代化などについて話し合った。

 ディスカッションの最後にフック首相は「ベトナムのドアはいつも開放されている」とし、ベトナムの発展のため、ものづくり強化のために日本企業に魅力的な市場としていくことを約束した。また、「ベトナム企業が日本に投資することも期待したい」とも語り、「日本企業の成功のため一緒に協力していきたいと思う」と締めくくった。
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