メディカル・ケア・サービス(株)(さいたま市大宮区大成町1-212-3、Tel.048-782-5000)は、6月1日に、東京都板橋区で「グループホーム」「小規模多機能型居宅介護」「都市型軽費老人ホーム」の3施設を複合した「愛の家板橋小茂根」をオープンした。オープンに先立つ5月24日に竣工記念式典と内覧会を開催し、式典には70人が出席した。
愛の家板橋小茂根(板橋区小茂根4-20-6)は、S造り3階建てでありながら、外観全面に木材を使用し、“木のぬくもりが感じられる住まいづくり”をテーマにこだわり抜いた、主力ブランド「愛の家」シリーズで最大規模となる。屋上は自然を感じられるように緑化し、また、ガーデニングを楽しめるよう、車いすに座りながら手入れができる高さの花壇を設置し、植え替え可能なつくりとした。内装は、落ち着いたダークブラウンを基調に、フロアごとに統一カラーでデザインされた空間を演出し、エントランスや室内には自然光が入るようトップライト(天窓)を設置した。
安心安全に入浴できるリフト付き専用チェアを導入し、チェアに乗ったまま入浴可能なため、入居者のみならず介護者の負担も軽減できる。チェアはコンパクトに収納・移動可能で、施設内のどの浴室にも使用できる。また、すべての浴室の浴槽は、介護者、被介護者に応じてスライドさせることが可能である。
建物1階は、半分のスペースを使い、小規模多機能型居宅介護の事業所、残る半分のスペースにグループホーム1ユニット(9人)を配置している。小多機の管理者の荒谷武志氏は、「開設当初は登録定員25人、デイサービスは15人でスタートするが、時機を見てそれぞれ29人、18人に引き上げる」と説明した。宿泊定員は9人で、個室の2室は緊急用とし、リビング・食堂側と2室を隔てる引き戸を開放することで、一体的に活用できる。
2階は2ユニット(18人)のグループホームとなっている。グループホームの管理者である巻島光治氏は、調理補助や配膳の手伝いなど、日常的にさまざまな活動をともにし、認知症の進行を遅らせるなど入居者のために努めたいと抱負を語る。
3階は、都市型軽費老人ホーム20室(全個室)で、自立できている高齢者を受け入れる。通常のマンションと同様、入居者が家具を搬入し、また、畳を敷く入居者もいるという。将来に備えて介護ベッドも推薦する。施設長の春木宏司氏は、「緑化した開放的な屋上で、入居者同士での植栽やティーパーティーで親交を深められると期待している。また、板橋区の花火も鑑賞できるので、ご家族の方の訪問も夏の楽しみとなる。町内の清掃活動などの行事への参加で地域住民と触れ合うことで、生きがいとなる。できれば、シルバー人材登録も考えている。都市型軽費老人ホームの入居者が認知症となった場合や要介護度が上昇した際には、グループホームや小多機が同じ建物にあるため、入居者も安心できる」と開設を待ちわびている。1~3階のすべてのスタッフは、看護師、介護士、栄養士、調理師などを含め50人ほどになるという。
愛の家板橋小茂根の開設により、同社の施設は、グループホーム252事業所(うち東京都26)、小規模多機能型居宅介護11事業所(うち東京都5)、都市型軽費老人ホーム8事業所(すべて東京都)、全運営事業所数は289事業所(全国27都道府県、うち東京都43)となる。同社は、1999年にさいたま市で創業。国外では、中国での有料老人ホーム運営や開発コンサルティングなど、中国、東南アジアを中心とした事業を推進している。17年4月末現在の従業員数は5598人。
(編集長 倉知良次)