シーメンスヘルスケア(株)と東京慈恵会医科大学附属病院は、3月28日に最新のハイブリッド手術室に関するプレスセミナーを行った。
同附属病院は、血管系、脳神経外科、心臓外科の医療に力を入れており、7年前にシーメンスヘルスケアのアンギオ「Artis zeego」を国内で初めて手術室に導入した。それ以来、北海道から沖縄県に至るまで、全国から通常の医療機関では治療困難・治療不可能な循環器系疾患の患者を受け入れている。今回、国内で初めて導入したシーメンスヘルスケアの最新機種「Artis pheno」は、ドイツのハノーバー医科大学とフランクフルト大学に各1台が納入されているが、ドイツの2台は血管撮影室に設置されており、手術室内に導入し術中に活用しているのは日本の同附属病院のみである。2月から導入されたハイブリッド手術室は、曜日ごとに脳神経外科、血管外科、心臓外科、整形外科などの各科が利用している。
同附属病院院長の丸毛啓史氏は、冒頭のあいさつで、「当院が7年前に日本で初めて導入し、ハイブリッド手術室の医療技術をリードしてきた。今回、最新機種を導入し、この1号機を手術に活用しながら、シーメンスとともにより良いものに改良・調整を進める。日本の医療は高齢化の進展もあって、より低侵襲、より正確で、短時間の医療が求められるという転換点にきている。今回のハイブリッド手術室で、短時間の手術で患者の負担が減り、予後が良くなり、より多くの家族の笑顔が見られるようにしたい」と抱負を述べた。
続いて、シーメンスヘルスケア(株)代表取締役社長兼CEOの森秀顕氏は、同社が日本において130年にわたり事業を展開し、慈恵医科大学とはハイブリッド手術室など多くの医療分野で協力関係を築いてきたことを紹介。あわせて、「『Artis pheno』は本日(3月28日)から販売を開始した」と説明した。シーメンスでは、ハイブリッド手術室に「Artis zeego」を750台、それ以前の機種を含めると1000台以上を納入した実績がある。日本でのシェアは5割に上るという。
(編集長 倉知良次)
(この稿続く)