大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター(大阪市東成区中道1-3-3、Tel.06-6972-1181)は、大阪市中央区に、新センター「大阪国際がんセンター」を3月25日にグランドオープンし、同月27日より外来診療を開始する。今回は、報道機関向け内覧会で公開された各フロアの特徴などを中心に紹介する。
地下1階にはアイソトープ診療科受付、放射線腫瘍科受付、臨床研究センター、研究所を配している。そのうち、放射線腫瘍科ではバリアン社製のリニアック装置「トゥルービーム」を新規に3台導入しており、国内の病院で3台体制は珍しいという。これにより、治療時間を大幅に短縮した回転強度変調放射線治療(VMAT)が可能となる。線量分布もコンピューターで強弱が調整できるため、患者への負担も和らぐ。
治療時間は1人あたり10~30分を見込んでおり、1日で150~160人の患者を治療することができる。また、新センターでは放射線腫瘍科の診療時間を、従来の17時から19時30分まで延長しており、仕事帰りのサラリーマンやOLも治療を受けられる。将来的には、会社への出社前に受ける早朝治療の実施も視野に入れている。開院時はリニアック3台で稼働するが、同フロアにリニアック導入スペースとして2室用意しており、需要の増加に応じて将来的に2台を追加導入し、5台体制を築く方針だ。なお、大型医療機器としては3階の放射線診断・IVR受付に、MRI装置を3台(旧センターは2台)、CT装置も3台(同3台)を新規に導入しており、将来はMRI装置を4台に、CT装置も4台に増やす構想を掲げている。
地上2階は内科系1、内科系2・麻酔科外来、外科系1・腫瘍皮膚科、外科系2・クイックイン外来、お薬外来・整形外科(骨軟部腫瘍科)、外来化学療法受付、採血・採尿受付、婦人科、泌尿器科、形成外科・歯科(オーラルケア)・眼科、頭頚部外科(耳鼻咽喉科)を配している。
(続きは本紙で)