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商工中金、中小企業設備投資動向調査発表、16年度修正計画で設備投資有は42.7%


2016/11/15

 (株)商工組合中央金庫は、中小企業設備投資動向調査(2016年7月調査)をまとめた。これによると、16年度修正計画設備投資「有」の企業割合は42.7%と7年ぶりに前年度の修正計画を下回った(製造業52.7%、非製造業37.4%)。


 設備投資の15年度実績についてみると、実施(設備投資「有」)企業割合は全体の52.7%で、3年続けて50%を超えたものの、6年ぶりに前年度実績を下回った。15年度当初計画からの上方修正幅は21.4ポイントで、おおむね00年度以降の上方修正幅の平均(21.7ポイント)並み。設備投資を実施しない(設備投資「無」)企業の割合は47.3%となった。

 16年度修正計画についてみると、設備投資「有」が全体の42.7%と7年ぶりに前年度の修正計画を下回った。当初計画からの上方修正幅は10.5ポイントで、00年度以降の上方修正幅の平均(13.3ポイント)を下回った。「無」は36.8%で前年の15年度修正計画(同34.0%)を上回った。

 製造業の15年度実績は、設備投資「有」企業が65.6%と6年連続で前年を上回った。14年度実績からの上昇幅は1.6ポイント。

 16年度修正計画は、設備投資「有」が52.7%で、修正計画時点としては2年続けて50%を超えたものの、前年(53.4%)を7年ぶりに下回った。「無」は25.1%、「未定」は22.2%。

 非製造業の15年度実績は設備投資「有」企業が45.9%。14年度実績からの減少幅は1.4ポイントで6年ぶりに前年を下回った。

 16年度修正計画は、設備投資「有」が37.4%で前年(38.0%)を7年ぶりに下回った。「無」は37.4%、「未定」は19.6%。

 15年度実績の設備投資目的の上位をみると、「設備の代替」46.5%、「維持・補修」26.6%、「増産・販売力増強(国内向け)」27.1%。14年度実績と比べて割合が変化したものは、増加では「増産・販売力増強(国内向け)」(プラス2.1ポイント)など。一方、割合が減少しているのは「情報化関連」「地球環境問題への対応」(各マイナス1.5ポイント)など。

 16年度修正計画での投資目的の上位は、引き続き「設備の代替」45.3%が最多で、以下、「増産・販売力増強(国内向け)」27.5%、「維持・補修」26.6%の順となっている。15年度実績と比べて割合が変化したものは、増加では「新製品の生産」(プラス1.3ポイント)など。一方割合が減少しているのは「設備の代替」(マイナス1.2ポイント)など。15年度実績から16年度修正計画まで2年続けて割合が増加しているのは「増産・販売力増強(国内向け)」、「新製品の生産」、「増産・販売力増強(輸出向け)」。反対に割合が2年続けて減少しているのは「地球環境問題への対応」、「設備の代替」。

 設備投資額の増減率は15年度実績で前年度実績対比プラス17.1%となった。実績時点としては05年度(プラス38.8%)以来の比較的高い伸び。当初計画(マイナス33.9%)からの上方修正幅は51.0ポイントで、過去平均(00年度以降)の41.1ポイントを上回った。

 16年度修正計画は、15年度実績対比マイナス26.3%。修正計画時点でみると10年度(マイナス28.3%)以来のマイナス幅。当初計画(マイナス33.3%)からの上方修正幅は7.0ポイントで、過去平均(00年度以降)の20.0ポイントを下回った。

 設備投資額の15年度実績のうち、製造業はプラス32.4%(14年度実績対比)となり05年度(プラス51.1%)以来の高い伸び。15年度実績見込時点(プラス5.6%)から大幅な上方修正となった。

 非製造業の15年度実績はプラス7.5%。前年度実績対比では2年ぶりにプラスとなった。前回調査の実績見込(マイナス1.9%)からは9.4ポイントの上方修正。

 16年度修正計画のうち、製造業はマイナス29.4%(15年度実績対比)。修正計画時点としては09年度(マイナス49.4%)以来のマイナス幅の大きさ。非製造業はマイナス23.8%(同)で、前年15年度の修正計画(マイナス23.1%)をわずかに下回った。

 15年度実績で設備投資を実施しない理由の上位は、「現状で設備は適正水準」64.4%、「景気の先行き不透明」21.8%、「業界の需要減退」11.8%など。14年度実績比で上昇したのは、「現状で設備は適正水準」(プラス1.9ポイント)など。

 16年度修正計画では、引き続き「現状で設備は適正水準」が65.3%で最も多く、以下「景気の先行き不透明」23.6%、「業界の需要減退」12.6%の順。15年度実績比で上昇したのは、「業界の需要減退」(プラス1.8ポイント)など。14年度実績から16年度修正計画まで2年続けて割合が上昇しているのは「現状で設備は適正水準」。そもそも設備に過不足がないため投資の必要性を感じていない企業が多い。また、「必要な人材が確保できない」の割合も引き続き過去と比べて高い水準にあり、人手不足が設備投資の制約となっている。反対に割合が2年続けて減少しているのは「借入負担が大きい」、「資金調達が困難」など。「金利水準が高い」と回答する企業の割合が引き続き低いこともあわせ、資金調達面での制約はやや和らいでいる様子がうかがわれる。

 1社当たりの設備資金調達構成比を単純平均した結果をみると、15年度実績の全企業平均は「金融機関借入」が46.3%、「手元資金」が45.3%。14年度実績と比較すると、金融機関借入の割合はわずかに増加した。

 16年度修正計画の全企業平均では、「金融機関借入」が52.3%で、15年度実績を6.0ポイント上回った。ただし例年、「金融機関借入」の割合は計画の具体化途上の段階では高めに出る特徴があるため過去の修正計画と比較すると、11年度50.8%→12年度51.4%→13年度47.5%→14年度50.2%→15年度48.3%。16年度はこれらと比べても金融機関借入の割合が高い。
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