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経済産業省、工場立地動向調査発表、16年上期は468件・642万m²


2016/11/8

 経済産業省は、2016(平成28)年上期(1~6月)の工場立地動向調査(速報)をまとめた。これによると、工場立地件数は468件で、前年同期は478件だった。また、電気業を除いた立地件数は457件で、前年同期(464件)比で1.5%の減少となった。

 工場立地面積は624万m²で、前年同期(570万m²)比で9.4%の増加となった。また、電気業を除いた立地面積は560万m²で、前年同期(521万m²)比で7.4%の増加となった。

 工場立地件数、工場立地面積の近年の増加理由としては、太陽光発電を目的とした電気業の立地案件の増加が大きな要因となっている。

 また、同調査の対象事業者は、工場立地法の届出対象者を主としているが、12年6月1日の工場立地法施行令の一部改正において、太陽光発電施設を同法の届出を要しない工場または事業場の追加に伴い、15年上期調査から太陽光発電施設を調査対象外とすることとなったため、工場立地件数、工場立地面積ともに大きく減少した。

 工場立地件数を移転立地と移転でない立地(自社の既存工場の全部または一部を廃止する計画を伴わない新規立地)の別に見ると、移転立地件数は169件となり、移転でない立地件数は299件となった。移転でない立地件数の割合は63.9%で、前年同期から1.2ポイント増加した。

 また、電気業を除いた移転立地件数も同じく169件となり、移転でない立地件数は288件となった。移転でない立地件数の割合は63.0%で、前年同期から1.5ポイント増加した。
 
 借地による工場立地件数は71件で、前年同期(73件)から2件減少した。全立地件数に占める借地による立地の割合は15.2%で、前年同期から0.1ポイント減少した。

 また、電気業を除いた借地による工場立地件数は64件で、前年同期(68件)から4件減少した。全立地件数に占める借地による立地の割合は14.0%で、前年同期から0.7ポイント減少した。

 工業団地への工場立地件数は184件で、前年同期(201件)比で17件の減少となった。全立地件数に占める工業団地への立地割合は39.3%で、前年同期から2.8ポイント減少した。

 また、電気業を除いた工業団地への立地件数は180件で、前年同期(192件)比で12件の減少となった。全立地件数に占める工業団地への立地割合は39.4%で、前年から2.0ポイント減少した。

 県外立地(本社所在都道府県以外への立地)件数は147件、県内立地件数は321件となり、全立地件数に占める県外立地の割合は31.4%となった。県外立地割合は、前年同期に比べ4.6ポイント減少した。

 また、電気業を除いた県外立地件数は144件、県内立地件数は313件となり、全立地件数に占める県外立地の割合は31.5%となった。県外立地割合は、前年同期に比べ4.3ポイント減少した。

 製造業の工場立地件数を業種別に見ると、立地件数の多い順に(1)食料品81件(構成比17.8%)、(2)金属製品69件(同15.1%)、(3)輸送用機械48件(同10.5%)、(4)生産用機械41件(同9.0%)の順となった。前年同期との比較では、化学工業(前年同期32件→12件)、窯業・土石製品(同17件→9件)、繊維工業(同12件→6件)、鉄鋼業(同20件→15件)などの10業種で減少し、食料品(同73件→81件)、飲料・たばこ・飼料(同9件→15件)、木材・木製品(同19件→24件)、家具・装備品(同1件→5件)、輸送用機械(同44件→48件)などの11業種で増加した。

 電気業の工場立地件数は、11件(前年同期14件)、立地面積は64万m²(前年同期49万m²)となった。15年上期調査から太陽光発電施設を調査対象外とすることとなったため、工場立地件数、工場立地面積ともに大きく減少した。

 地域ブロック別の工場立地件数は、上位から順に、(1)東海95件(構成比20.3%)、(2)関東内陸76件(同16.2%)、(3)南東北59件(同12.6%)であり、これら3地域で全体の49.1%を占めた。

 また、電気業を除いた工場立地件数は、上位から順に、(1)東海94件(構成比20.6%)、(2)関東内陸73件(同16.0%)、(3)南東北56件(同12.2%)の順となり、これら3地域で全体の48.8%を占めた。

 工場立地面積は、上位から順に、(1)関東内陸(192万m²)、(2)東海(113万m²)、(3)南東北(56万m²)の順となり、これら3地域で全体の57.9%を占めた。

 また、電気業を除いた工場立地面積は、上位から順に、(1)関東内陸(148万m²)、(2)東海(112万m²)、(3)南東北(51万m²)の順となり、これら3地域で全体の55.8%を占めた。

 工場立地面積の前年同期比では、(1)山陽18万m²減(前年同期45万m²→27万m²)、(2)北陸14万m²減(同39万m²→25万m²)、(3)南九州11万m²減(同20万m²→9万m²)となっている。前年同期比で9つの地域が減少していたが、工場立地面積全体では9.4ポイント増加している。

 また、電気業を除いた工場立地面積の前年同期比では、増加面積が多い順に、(1)東海47万m²増(前年同期65万m²→112万m²)、(2)関東内陸24万m²増(同124万m²→148万m²)、(3)関東臨海13万m²増(同29万m²→42万m²)となり、減少面積が多い順に、(1)北九州17万m²減(同35万m²→18万m²)、(2)山陽16万m²減(同43万m²→27万m²)、(3)北陸14万m²減(同39万m²→25万m²)となっている。

 工場立地1件当たりの立地面積で見ると、関東内陸2.52(万m²/件)、北東北1.75(万m²/件)、北陸1.37(万m²/件)で大きく、南九州0.66(万m²/件)で小さくなっている。
 
 また、電気業を除いた場合の工場立地1件当たりの立地面積で見ると、関東内陸2.03(万m²/件)、北陸1.37(万m²/件)、近畿内陸1.34(万m²/件)で大きくなっている。

 立地件数を都道府県別にみると、立地件数の多い順に、(1)静岡県(29件)、(2)愛知県(28件)、(3)兵庫県(25件)、(4)宮城県、岐阜県(各21件)となった。

 立地件数の前年同期比増減を都道府県別にみると、19の県で減少した。減少した都道府県は、(1)茨城県(18件減)、(2)群馬県(13件減)、(3)栃木県(6件減)、(4)石川県、兵庫県、和歌山県(各5件減)となった。

 また、電気業を除いた立地件数を都道府県別にみると、立地件数の多い順に、(1)静岡県(29件)、(2)愛知県(27件)、(3)兵庫県(25件)、(4)宮城県、岐阜県(各21件)となった。

 立地件数の前年比増減を都道府県別にみると、増加件数の多い順に(1)宮城県(9件増)、(2)長野県、奈良県(各8件増)、(4)静岡県、三重県(各7件増)となった。

 立地面積を都道府県別にみると、立地面積の多い順に、(1)茨城県(106万m²)、(2)三重県(44万m²)、(3)栃木県(35万m²)、(4)兵庫県(33万m²)、(5)長野県(28万m²)となった。

 また、電気業を除いた立地面積を都道府県別にみると、多い順に、(1)茨城県(71万m²)、(2)三重県(44万m²)、(3)兵庫県(33万m²)、(4)長野県(28万m²)、(5)宮城県(27万m²)となった。

 工場立地1件あたりの立地面積が大きかったのは、上位から順に(1)茨城県(5.29万m²/件)、(2)秋田県(3.12万m²/件)、(3)三重県(2.60万m²/件)、(4)栃木県(2.30万m²/件)、(5)滋賀県(2.23万m²/件)であり、一方で、1件あたりの立地面積が小さかったのは、(1)東京都(0.33万m²/件)、(2)徳島県(0.44万m²/件)、(3)鹿児島県(0.45万m²/件)、(4)福岡県(0.48万m²/件)(5)和歌山県(0.49万m²/件)であった。

 また電気業を除いた場合の工場立地1件あたりの立地面積が大きかったのは、上位から順に(1)茨城県(3.96万m²/件)、(2)三重県(2.60万m²/件)、(3)滋賀県(2.23万m²/件)、(4)秋田県(1.95万m²/件)、(5)山口県(1.87万m²/件)であり、一方で、1件あたりの立地面積が小さかったのは、(1)東京都(0.33万m²/件)、(2)徳島県(0.44万m²/件)、(3)鹿児島県(0.45万m²/件)、(4)福岡県(0.48万m²/件)、(5)和歌山県(0.49万m²/件)であった。

 立地地点選定に際して事業者が「最も重視」した項目および「重視」した項目の合計数は「本社・他の自社工場への近接性」との理由が最も多く、「工業団地である」、「地価」および「人材・労働力の確保」という理由がそれに次いで多かった。

 また、立地地点選定に際して「国・地方自治体の助成」「地方自治体の誠意・積極性・迅速性」を重視したと回答した事業者が、331社(有効回答企業数)中、それぞれ、59社(17.8%)、44社(13.3%)あった。

 海外立地を検討した事業者は18社(前年同期21社)あり、これらの事業者が立地地点選定に際して「最も重視」した項目および「重視」した項目の合計数は「市場への近接性」が最も多く、「国・県・市・町・村の助成・協力」、「良質な労働力の確保」という理由がそれに次いで多かった。

 研究所の立地件数は13件で、前年同期から1件減少した。都道府県別では神奈川県で5件、埼玉県、三重県で各2件、長野県、静岡県、愛知県、京都府で各1件であった。

 研究開発機能の付設予定件数は74件で、前年同期比で35件の減少となった。地域別では、多い順に(1)関東臨海(13件)、(2)関東内陸、東海(各11件)となった。電気業を除いた場合も同様に、研究開発機能の付設予定件数は74件で、前年同期から35件の減少となった。また地域別では、多い順に(1)関東臨海(13件)、(2)関東内陸、東海(各11件)となった。

 外資系企業(外資比率50%以上の企業)の工場立地件数は2件で、前年同期比で3件減少した。地域別では東海、南九州が各1件であった。

 また、電気業を除いた場合も同様に2件で、前年同期比で3件の減少となった。地域別にみると、東海、南九州が各1件であった。
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