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No.579

韓流ブーム復活?


永松 茂和

2016/10/25

 2000年初頭にあった韓流ブームを思い出す。きっかけは何といってもヨン様とジウ姫が演ずる「冬のソナタ」で、女性が熱狂する大ヒットドラマとなった。以来、韓流ドラマが大ブームとなり、テレビをつければ韓国ドラマが放映されていたことを記憶している。そういう自分もその流れに乗ったクチであり、放映しているドラマの多くを見ていた。

 冬のソナタを作ったのはユン・ソクホ監督で、四季シリーズとして冬のソナタのほか、春のワルツ、夏の香り、秋の童話の4作品が有名だ。初恋、出生の秘密、重い病気、貧富の差などが重要なキーワードであり、これは韓国ドラマに共通している。四季シリーズでは、秋の童話を除き、ハッピーエンドとなるのが特徴の一つで、台本どおりにきっちりと製作する日本に対し、視聴者の意見が優先される韓国ドラマは先が読めず、つじつまが合わなくても勢いで進んでしまう違和感も多少あった。

 このほか、スポンサーの関係なのか最新鋭の携帯電話、スマートフォンが様々なシーンで登場するのも韓流ドラマの大きな特徴と言える。登場人物が多く、ストーリー展開が最初はわかりにくいことを除けば結構楽しめるものである。

 その後、音楽のK-popなども流行し、東方神起、KARA、少女時代などが紅白歌合戦に登場するなど日本の音楽シーンを賑わせたのは記憶に新しい。マーケットが小さい韓国市場ではドラマや音楽を海外に輸出するのが国策ともいえる。実際、K-popの歌手はいずれも歌がうまく、ダンスのステップも上手であり、日本の歌手とは異なり、基礎がしっかりしていると感じる。

 ところでその韓流ブームはどうなったのであろうか。日韓の政治的な問題、スキャンダルの露呈などがあり、地上波のテレビ放送ではほとんど見かけなくなってしまった。

 ところがCS放送では下火どころか、想像以上に番組が多いことに驚いた。この前、ふと気になって韓国ドラマの放映番組数を数えたところ、1週間に100以上のドラマが放映されていた。時代劇からラブストーリーまで多彩で、一日あたりの計算では約15番組にも達しているのだ。チャンネルを回せば韓流ドラマに当たる状況で、自分も時代劇中心に定期的に数番組を観るようになってしまった。かつてほどの勢いはないにせよ、韓流ブームは舞台を変えて復活しているのかもしれない。
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