有料老人ホームや高齢者向け賃貸住宅などの運営を行っているオリックス・リビング(株)(東京都港区芝2-2-15、Tel.03-5439-2205)は、同社として京都府内で初めての有料老人ホームとして、「グッドタイム リビング 嵯峨広沢」を10月1日にオープンした。総居室数は65室、定員は65人で、標準タイプ(20.15m²)が59室、ラージタイプ(26.65~30.23m²)は6室となっている。
グッドタイム リビング 嵯峨広沢の所在地は京都市右京区嵯峨広沢御所ノ内町22ほか13筆で、JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩約10分(約800m)の距離にある。規模は敷地2551m²、RC造り4階建て延べ3812m²。フロア構成は、1階にエントランスホール、ビューティーサロン、クラブサロンを設けているほか、重介護の入居者向けの居室として、専任スタッフを24時間配置し、見守りセンサーや壁収納型リフトなどのロボット介護機器を導入したスペシャルケアフロアを用意している。2~3階は居室とともに、リビングダイニングや浴室を整備。4階のレストランは、京都五山の送り火「鳥居形」を望むことができるロケーションとなっており、入居者が家族や友人と過ごすこともできるパーティールームも併設している。
スペシャルケアフロアでは、経済産業省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」に採択されている、ノーリツプレシジョン(株)(旧NKワークス(株))が開発した居室見守りシステム「Neos+Care(ネオスケア)」を導入。従来はベッドの近くにセンサーマットを置いていたため、少しだけ動くという誤報も多かった。それに対して、ネオスケアは入居者の動作(離床など)をセンサーで自動検知し、即座に指定端末に画像を転送する。画像はシルエット状のためプライバシーを保護しており、内蔵のドライブレコーダーに録画(10秒程度)することも可能。ネオスケアは全11室(スペシャルケアフロア)のうち、9室に導入済みで、今後も入居者の要望に応じて随時導入していく。
また、スペシャルケアフロアには入居者の精神的・肉体的負担の軽減や安全を確保するため、(株)モリトーと共同開発した壁収納型介護リフト「つるべーSセット Swing Lift CoCoRo」も導入。同リフトはノーリフティングポリシー(持ち上げない介護)を実践するもので、ベッドから車いす、ベッドからトイレへの直接移動が可能となる。そのほか、(株)シブタニと共同開発した昇降式洗面台「frasse care plusmotion(フラッセケア プラスモーション)」も設置。入居者の体格や身体状況に合わせ、洗面カウンターの高さが変更できるほか、機能性・デザイン性が高く、足元の空間も確保できる洗面台となっている。
同施設は他のグッドタイム リビングと異なり、洋ではなく和の設えを施しており、色合いも茶色をベースに仕上げている。建物中央の中庭は、京都迎賓館庭園や梅小路公園朱雀の庭などを手がけた(株)植芳造園が施工しており、趣のある四季折々の風景を感じることができる。月額利用料(税別)は1人用標準タイプが25万2000円、ラージタイプは27万7000円を設定。現在は2人が入居済みで、開業後1年半をめどに満室になる見通しだ。
同社は関東圏や関西圏に有料老人ホームを展開している。関東圏では6月に「グッドタイム リビング 流山 弐番館―おおたかの森―」をオープン。総居室数は77室、定員は85人となっている。一方、関西圏では前述のグッドタイム リビング 嵯峨広沢に加え、11月中旬に「グッドタイム リビング 嵯峨有栖川」を開業する予定だ。規模は敷地3464m²、RC造り4階建て延べ4202m²。同施設は要介護者向け居室とお元気な方向け居室―アネックス―を備え、要介護者向け居室は43室を、お元気な方向け居室―アネックス―は23室を設ける方針だ。これにより、同社が運営する有料老人ホームは、合計27棟、居室数は2260室となる見込み。
(岡田光記者)