奈良県と同県南部12市町村で構成する南和広域医療組合(奈良県吉野郡大淀町大字福神8-1、Tel.0747-54-5000)は、公立救急病院の再構築で新設した医療救急病院「南奈良総合医療センター」(232床)の竣工式典を3月13日に開催した。管理者として奈良県知事の荒井正吾氏をはじめ、奈良県立医科大学附属病院、奈良県医師会、自治体など多くの関係者が臨席した。
新病院の竣工式典で挨拶する管理者代表の荒井奈良県知事
管理者を代表して荒井知事は「総事業費約200億円のうち、約65億円を基金、約135億円を市町村が負担するかたちとなり、地域医療再生臨時特例交付金を活用することで、赤字ケースの多い公立病院でも病院運営の負担がスタートから少ないのが特徴だ。赤字が出た場合の2分の1は県が負担する仕組みで、奈良県独自のモデル事業になった」と説明。また2016年度後半から運用する県のドクターヘリについて、「奈良県南部は広いので、県独自のドクターヘリも導入する。災害や緊急時には和歌山県や三重県もカバーできるだろう。救急車ではなくて、ドクターヘリを使うのが当たり前になってもいいじゃないか」と最後は会場の雰囲気を和ませた。式典後にテープカットが行われると、空中からドクターヘリも駆けつけ、新病院の竣工を祝った。
新病院は「南和の医療は南和で守る」をキャッチフレーズに、救急医療、災害対策、在宅・へき地医療を強化している。また、県立五條病院、国保吉野病院、町立大淀病院で提供してきた地域医療を継承し南和地域の医療を守り続ける方針だ。同病院は4月1日に開院、4月4日から外来診療を開始した。
南奈良総合医療センターの所在地は、奈良県吉野郡大淀町大字福神8-1で、近鉄福神駅の駅前に建設された。駅から病院へ向かうデッキは大淀町が設置している。
病床数は232床(一般188、HCU8、回復期36)、診療科は25科(院内標榜を含む)、8センターの体制で、2次救急、へき地医療拠点病院に指定。外来化学療法室や日本では珍しい血管造影IVR-CT室も整備した。
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