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第143回

半導体産業人協会(SSIS) 講演企画委員 有門経敏氏


11月10日に年内最後のフォーラム開催
講演とパネルで半導体の将来を議論

2015/10/30

半導体産業人協会(SSIS) 講演企画委員 有門経敏氏
 半導体産業人協会(SSIS)は来る11月10日、林野会館(東京・茗荷谷)で2015年第5回SSISフォーラム「ポストIT、そのフューチャープランを追う」を開催する。講演とパネルディスカッションの2部で構成されており、業界OBに限らず、現役世代にも大いに役立つプログラムになっている。詳細を講演企画委員の有門経敏氏に伺った。

―― 本フォーラムは今年(2015年)5回目の開催になりますが、過去4回はどのようなテーマで開催しましたか。
 有門 主に半導体業界のOBで構成されるSSISとしては「業界の次世代を担う方々とインタラクティブなコミュニケーションをしたい」という考えを常に持っている。そのためにはSSISから発信することが大事だと考えている。
 15年のフォーラムを貫くテーマを「日本半導体産業の将来を考える」と定め、第1回はクアルコムジャパン特別顧問の山田純氏を講師にお招きして、同社が成功した秘訣やその戦略をお話しいただいた。第2回はIoTとビッグデータをテーマにとして、SPPテクノロジーズの神永晉氏と日立製作所の伴秀行氏にトリリオンセンサー時代を語っていただいた。
 第3回はIoTで育まれる技術を取り上げ、産業技術総合研究所の安田哲二氏と科学技術振興機構の河村誠一郎氏に大規模データ処理技術とデジタルデータの長期安定保存技術をご紹介いただき、第4回はIoTでどう稼ぐのかをテーマとして微細加工研究所の湯之上隆氏に新たなビジネスモデルを解説いただいた。

―― 第4回までの反響はいかがでしたか。
 有門 毎回アンケート調査を行っている。SSIS非会員の聴講が回を追うごとに増えており、20代や40代の現役世代の聴講者も増加した。「今後の開発戦略に組み入れたい」といった前向きな意見もいただいており、企画委員として狙ったとおりの集客ができていると自負している。

―― 11月10日に開催される第5回の内容について。
 有門 講演およびフォーラムとして初の試みとなるパネルディスカッションの2部構成になる。
 講演は「IoT/IoE時代を見据えて再編する世界半導体産業の最新動向」と題して、元ソニーの服部毅氏に半導体業界の勢力図を60分で解説いただく。過去4回を総括する中身となる予定で、半導体業界の今とこれからを整理するうえで非常に役立つはずと期待している。
 パネルディスカッションは、産業タイムズ社の泉谷渉氏をモデレーターとして、服部氏のほか、SSISから橋本浩一氏、伊藤達氏、馬場久雄氏をパネリストに迎え、日本半導体の再興戦略を120分にわたって議論する。タイトルを「日本再興戦略をけん引する半導体 ロボット・センサーで世界制覇」と銘打っており、日本が勝てる分野を深く掘り下げていく。

―― パネリストは半導体業界のエグゼクティブ経験者ばかりですね。
 有門 あえて日本半導体業界が厳しかった時代に第一線におられた方々にお願いした。こうした人選ができるのはSSISならではの強みだ。パネリストの皆さんは、現役時代に厳しい市況下で苦渋の決断を迫られたこともあっただろうし、しがらみの多い日本の企業のなかでは、当時やりたくてもできなかったことがあったはず。一方で日本の半導体産業を立ち上げてきた経験もお持ちであり、産業の興し方を身をもって体験している。そこから出てくる知恵も豊富だ。そうした貴重な経験や知恵を存分に披露いただき、聴講者と意見を交換する場にしたいというのが狙いである。

―― まさに15年の総決算の場になりそうですね。
 有門 ポストITの主役としてIoTへの期待が高まるなか、フレキシブル、ストレッチャブル、ストラクチャルといったエレクトロニクスに付く言葉がたくさん出てきた。言い換えれば、シリコン産業から多くの子供が生まれているに等しく、これからどうやって産業を作っていくべきかの過渡期にあると見ている。
 プログラム終了後には登壇者を交えた交流会も用意しており、業界経験豊富な方々と直接話ができる貴重な機会になる。現役世代の方にもぜひ奮ってご参加いただきたい。

(聞き手・編集長 津村明宏)
(本紙2015年10月29日号3面 掲載)

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