電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第677回

半導体世界市場は26年に200兆円を突破するという驚異の予想が出てきた!


メモリー企業は超ウハウハ状態、キオクシアはインテルを抜く勢い

2026/6/19

 半導体の世界市場はここに来て、超爆裂的な成長に入るとの予想が出てきたのだ。2025年の市場は初の150兆円に乗せてきており、これ自体がサプライズであるが、26年はさらにすごい伸びを示すという勢いだ。前年比40%増という凄まじい伸びを見せて、200兆円以上の巨大マーケットになるというのであるからしてただ事ではない。

 これはひとえにAIブームがもたらしているものであるが、とりわけデータセンターのAIサーバーが最大の牽引役となっている。データセンターはまさに半導体の塊であり、この牽引力は非常に強いのである。エヌビディアをはじめとするGPU、各種のAIチップの伸びもさることながら、とりわけそれに付随するメモリーが全く足りないという状況になっていくとみられる。


 DRAMの出荷量は記録的なものになりそうであり、韓国のサムスン、SKハイニックス、さらには米国のマイクロンなどは「超ウハウハ」という状態になるだろう。作っても作っても足りないという状況であるならば、在庫は全くなくなり、価格は上がる一方なのだ。もちろん、キオクシアやサムスンが手がけるNANDフラッシュメモリーもこれに協調して急伸していくことは間違いない。

 筆者はこの半導体の爆裂成長予想を聞いた時に、半導体製造装置が間に合わないのでそれは無理だろう、との判断であった。しかしながら、今回の爆裂成長は大型設備投資をかけて一気の増産というスタイルではないのだ。半導体の価格そのものが2~3倍に跳ね上がるということであり、各企業のキャパシティーや生産量は同じ状態にとどまる。つまり、フツーに作っていても価格が倍増以上となり、売り上げが急増するのだから各社の営業利益はとんでもないことになるのである。

 メモリーは特に絶好調となるわけだが、日本のキオクシアにも強い追い風が吹くことになる。このままの伸びが続けば、キオクシアの売り上げは3~4倍になってしまうわけであり、なんとかつての半導体の世界王者であるインテルを抜いてしまうというメークドラマが起きることになる。

 筆者は比較的強気の予想をするタイプであり、「半導体産業は2030年に200兆円の巨大市場を構築する!」という予想を立てていたが、見事に外れてしまうことになるだろう。しかして、こんな短い間に半導体がウルトラ成長をするとは誰にも予想できなかったのではないか。半導体という、たかが一部品の産業が世界一の製造業である自動車産業(400兆円のマーケット)を抜いてしまう時代はもうそこまで来ている。

 1947年に登場したトランジスタに始まる半導体の歴史は、新たな時代に入ったと言えるだろう。


泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 取締役 会長。著書には『自動車世界戦争』、『日・米・中IoT最終戦争』(以上、東洋経済新報社)、『伝説 ソニーの半導体』、『日本半導体産業 激動の21年史 2000年~2021年』、『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』(産業タイムズ社)など27冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。
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