ビシェイ・インターテクノロジー(米ペンシルベニア州、日本法人=東京都渋谷区渋谷3-12-22、Tel.03-5466-7150)は、1962年にフォイル抵抗器の製造・販売を目的に設立された。85年ごろから幅広い製品を手がける電子部品メーカーへと業容を進化させるため戦略的な企業買収を重ね、それとともに業績も飛躍的な拡大を遂げてきた。現在は、ディスクリート半導体ならびに受動電子部品などを広くラインアップし、自動車関連から産業機器や通信機器、医療関連分野などの多様な分野において、ワンストップソリューションを提供する業界のリーディングサプライヤーだ。ビシェイ ジャパン(株)代表取締役社長の小澤政治氏に、ビジネスの現状、今後の成長戦略について伺った。
―― 2014年業績を振り返って。
小澤 14年の業績は、売上高が前年比5.2%増の24億9300万ドル、売上総利益が7.8%増の6億1100万ドルと2年連続で増収増益を達成した。CAPEXも毎年1.5億~1.6億ドルを投資するとともに、フリーキャッシュフローについても、戦略的買収を進めるなか毎年ポジティブを継続しており、非常に安定した財務基盤が当社の特徴であり強みだ。
売上高における製品別の内訳を見ると、半導体が53%(オプト11%、ダイオード23%、MOSFET19%)、受動部品が47%(抵抗器・インダクタなど30%、キャパシタ17%)とバランスがとれた製品構成だ。主なアプリケーション分野は、自動車24%、産業機器34%、通信10%、電源5%などとなっている。
―― 多くの製品分野でトップサプライヤーの地位を確立しています。
小澤 おかげ様でお客様から好評をいただいている。当社が手がける製品は幅広く、汎用品だが、価格競争を前面に出したものではない。技術力・製品力で差別化を図り、顧客の役に立つことを目指している。ニーズに合わせた細かい製品ラインアップも当社の特徴だ。こうした当社の製品戦略・優れた技術が評価されている結果だと考える。
―― 日本での事業拡大に向けた戦略は。
小澤 日本では、全社と同じく自動車ならびに産業機器関連の比率が高く、両分野とも昨今、好調に推移している。
自動車はエレクトロニクス化の進展が著しく、今後も市場の拡大が見込まれる。まだまだ当社の製品を採用いただいていない分野も数多くあり、それらの領域の開拓に注力していく。
また従来、日本では医療機器分野の比率が少なかった。しかし、今後はヘルスケア関連製品などの市場拡大も期待されており、攻勢をかけていく方針だ。
なお、当社の国内ビジネスにおいては、販売代理店様との連携が需要な要素となる。そのため、今後の事業拡大に向けて、販売チャネルの強化を進めているところだ。
―― 昨年も日本企業を含む2社を買収し、事業の拡大を図ってきました。
小澤 14年は、日本のタンタルコンデンサーメーカーであるホリストンポリテック(株)と、台湾のオプトエレクトロニクスのファブレスIC企業であるカペラ・マイクロシステムズの2社を買収した。
ホリストンポリテックの買収では、当社技術を融合した製品を市場投入していくことで、日本のコンデンサー市場における当社の地位をより強固なものにできると自負している。
(聞き手・本紙編集部)
(本紙2015年6月18日号5面 掲載)