商業施設新聞
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No.507

鳥居の先に見たもの


今村 香里

2015/5/26

 疲れを癒すために空けておいたGW最終日は、東京から京都に遊びに来るという友人の“おもてなし”をする一日となった。京都に行く機会があるので私に連絡したらしいが、私はいま大阪に住んでいる。しかし、京都には長く住んでいたし、大阪からも近いので少しは役に立つだろうと京都旅行のお供を了承した。

 友人のリクエストで、「伏見稲荷大社」「八坂神社」「安井金毘羅宮」を散策することに。“ザ・京都観光”といったラインアップであるが、伏見稲荷大社と安井金毘羅宮には行ったことがなかった。その話をすると友人に驚かれたが、住んでいるとこうした観光地的な場所には意外と行かないんじゃないかと思う。

意外と初めての「伏見稲荷大社」
意外と初めての「伏見稲荷大社」
鳥居がずらり
鳥居がずらり

 GWともあって、上記の神社は多くの観光客で賑わっていた。特に、京都ならではのレンタル着物を着た観光客、そして近年増加傾向にある外国人観光客が目立った。

 京阪電鉄の伏見稲荷駅から祇園四条駅で下車し、お昼を済ませて、八坂神社へ行った。八坂神社から安井金毘羅宮へはすぐの距離なのだが、せっかくなので、八坂神社の奥にある「円山公園」からねねの道、二年坂を通って「八坂の塔」の坂を下る定番観光コースを提案した。
 道中、レンタルではなくて自前の着物で歩いていた友人の姿が格好いいのか、外国人観光客によく声をかけられる。しかも、友人は英語が少々できるため、写真撮影も頼まれていた。写真撮影中、英語ができない私は手持ち無沙汰だ。

 英語ができる彼女が「これは不親切だ」と言った観光客向けの案内看板があった。案内地図を見ると、英語、中国語、韓国語、日本語で表記されている。一見、親切丁寧だが、小さい枠に4カ国語を並べているので、パッと見て分かりづらい。しかも、日本語は薄くなっており、さらに見にくかった。おそらく、古い看板の上から、外国語表記を加えたのだろう。日本人にとっては少し不便だと感じた。近年、外国人観光客は増え、観光産業にはなくてならない存在になっているが、日本人にも配慮してもらいたいものだ。
 最近、駅の電子看板を見ても、一瞬見ると外国語表示になっていて分からない。しばらくして日本語表記に変わるのだが、歩いている時など見たいときに表示されないので困る。

 この日の夕食は、先斗町の老舗居酒屋に入った。そこは京都ならではの「川床」がある店だった。久々の京都を感じたかった私は川床がよかったが今日の主役である友人がカウンター好きのため、友人に合わせた。

 食事中、目の前で調理する店長の話によると、川床は外国人でいっぱいだという。これほどの状況なら、看板にあわてて外国語をつけ足すのも無理はないのかもしれない。観光客として訪れた京都で、改めて国際社会の到来に気づかされたのだった。
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