タイ工業省工業振興局は、6月24~27日にタイ・バンコクにあるBITECで製造業と裾野産業に関するASEANで最大のイベント「Manufacturing Expo 2015」を開催する。これに伴い、東京都内のホテルで記者会見を行い、日本からタイへの投資環境についての説明などを行った。
会見では、駐日タイ大使館パカワット・タンサクン臨時大使が「タイ政府による、日本からタイへの投資に対する全面的な支援」のテーマで基調講演し、自動車部品製造業界における日本からタイへの投資メリットの概要について語った。タイ国内経済の回復に加え、ASEAN経済共同体が年内に発足することから、タイ国内での需要の増加だけでなくASEAN全体での市場拡大が見込めることを強調。インフラが整っていることや裾野産業が発展していることなどから、ASEAN域内での製造拠点設置の優位性を説明した。また、2010年以降、タイにとって日本は最大の投資国となっており、特に鉄鋼、金属、自動車、オートバイの分野で成果を挙げていることを紹介した。今後、タイ政府は研究分野に力を入れていくとし、「タイ・日本の共同開発が活発になる助けになりたい。今後、日本とタイの良好な関係がより緊密にかつ長く続くことを支援する」と締めくくった。
続いて、タイ工業省工業振興局裾野産業開発部部長のパヌワット・トリヤンクンスリー博士が「タイ自動車部品関連業界、日本の投資家への強力な支援と準備」について述べ、これまでタイの自動車部品産業がどのように成長してきたかを説明した。タイは1994年の経済危機以降、部品の輸入を自由化し、国際競争力をつけてきている状況を説明。自由化により、輸出が増えており、現状国内比率は50%にとどまっているとし、一方でタイでは、従業員不足や賃金上昇などの問題があり、多くの労働力を必要とする工程はラオス、カンボジアなどの周辺国でサテライト工場を設置して対応。ここからタイに輸入してアセンブリーしており、マネージメントはタイの技術者が行っていると語った。博士は「今後タイは生産ではなく研究開発の拠点となっていく」と説明した。
その後、公益財団法人東京都中小企業振興公社 総合支援部国際化支援室の須崎数正室長が「日本の中小企業のタイへの投資と東京からの支援」について説明。リード・トラテックス社のスティサ・ウィラナン副社長が「Manufacturing Expo 2015」の概要などについて説明した。