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経済産業省、工場立地動向調査発表、14年は2491件・7710万m²


2015/4/21

 経済産業省は、2014(平成26)年1~12月の工場立地動向調査(速報)をまとめた。これによると電気業を除いた工場立地件数は1021件で、前年(831件)比で22.9%の増加となった。また、電気業を除いた立地面積は1253万m²で、前年(1077万m²)比で16.3%の増加となった。一方、電気業を含む工場立地件数は2491件で前年(1873件)比で33.0%の増加、電気業を含む工場立地面積は7710万m²で、前年(7527万m²)比で2.4%の増加となった。近年の増加理由としては、太陽光発電を目的とした電気業の立地案件の増加が大きな要因となっている。
 東日本大震災により災害救助法の適用を受けた7県(東京都を除く、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県および千葉県)での電気業を除いた工場立地件数は225件(前年171件、前年比31.6%増)、工場立地面積は337万m²(前年295万m²、前年比14.1%増)であった。また、電気業を含む工場立地件数は585件(前年387件、前年比51.2%増)、工場立地面積は2790万m²(前年1928万m²、前年比44.7%増)であった。
 立地件数を移転立地と移転でない立地(自社の既存工場の全部または一部を廃止する計画を伴わない新規立地)の別に見ると、電気業を除いた移転立地件数は330件となり、移転でない立地件数は688件となった。移転でない立地件数の割合は67.6%で、前年から4.3ポイント増加した。なお、電気業を含む移転立地件数は330件となり、移転でない立地件数は2158件となった。移転でない立地件数の割合は86.7%で、前年から3.0ポイント増加した。
 企業規模(資本金規模)別の立地件数(電気業を除く)は、資本金1000万~5000万円未満の企業による立地件数が434件となり、有効回答数のうち42.8%を占めた。なお、電気業を含む立地件数は976件となり、有効回答数のうち40.3%を占めた。また、資本金1000万円未満の企業による立地は、電気業を除いた場合は、有効回答数のうち18.4%にあたる187件となり、前年から0.8ポイント減少した。電気業を含む場合は、同立地件数は有効回答数のうち27.1%にあたる656件となり、前年から2.6ポイント増加した。
 電気業を除いた借地による立地件数は180件で、前年(138件)から42件増加。全立地件数に占める借地による立地の割合は17.6%で、前年から1.0ポイント増加した。なお、電気業を含む借地による立地件数は785件で、前年(712件)から73件増加した。全立地件数に占める借地による立地の割合は31.5%で、前年から6.5ポイント減少した。
 電気業を除いた工業団地への立地件数は424件で、前年(338件)比で86件の増加となった。全立地件数に占める工業団地への立地割合は41.5%で、前年から0.8ポイント増加した。なお、電気業を含む工業団地への立地件数は479件で、前年(418件)比で61件の増加となった。全立地件数に占める工業団地への立地割合は19.2%で、前年から3.1ポイント減少した。
 電気業を除いた県外立地(本社所在都道府県以外への立地)件数は338件、県内立地件数は683件となり、全立地件数に占める県外立地の割合は33.1%となった。県外立地割合は、前年に比べ0.1ポイント減少した。また、電気業を含む県外立地件数は935件、県内立地件数は1556件となり、全立地件数に占める県外立地の割合は37.5%となった。県外立地割合は、前年に比べ0.9ポイント減少した。
 立地件数を業種別に見ると、立地件数の多い順に(1)食料品179件(構成比17.6%)、(2)金属製品129件(同12.7%)、(3)輸送用機械98件(同9.6%)、(4)生産用機械79件(同7.8%)となった。前年との比較では、鉄鋼業(前年52件→44件)、電子・デバイス・電子回路(前年22件→15件)、ゴム製品(前年16件→9件)などの5業種で減少し、金属製品(前年84件→129件)、輸送用機械(前年57件→98件)、化学工業(前年45件→70件)、生産用機械(前年61件→79件)などの16業種で増加した。
 電気業の立地件数は、1470件(前年1042件)、立地面積は6458万m²(前年6449万m²)と増加した。
 電気業を除いた立地件数を地域ブロック別に見ると、件数の多い順に、(1)関東内陸223件(構成比21.8%)、(2)東海156件(同15.3%)、(3)関東臨海106件(同10.4%)となり、これらの地域で全体の約47.5%を占めた。電気業を含む立地件数を地域ブロック別に見ると、件数の多い順に、(1)関東内陸647件(構成比26.0%)、(2)東海335件(同13.4%)、(3)北九州263件(同10.6%)となり、これら地域で全体の約50.0%を占めた。
 電気業を除いた立地面積では、上位から順に、(1)関東内陸(313万m²)、(2)東海(185万m²)、(3)関東臨海(156万m²)となり、これら地域で全体の52.2%を占めた。電気業を含む立地面積では、上位から順に、(1)関東内陸(2757万m²)、(2)北九州(966万m²)(3)南東北(768万m²)となり、これら地域で全体の58.2%を占めた。
 電気業を除いた立地面積の前年比では、増加面積が多い順に、(1)関東臨海87万m²増(前年70万m²→156万m²)、(2)四国41万m²増(同15万m²→56万m²)、(3)関東内陸27万m²(同286万m²→313万m²)となり、全国のうち3地域で減少している。また、電気業を含む立地面積の前年比では、増加面積が多い順に、(1)関東内陸1500万m²増(前年1257万m²→2757万m²)、(2)南東北293万m²増(同475万m²→768万m²)、(3)関東臨海60万m²増(同186万m²→246万m²)となり、全国の半数以上の地域では減少している。
 電気業を除いた場合の工場立地1件当たりの立地面積で見ると、北海道1.78(万m²/件)、南九州1.62(万m²/件)、関東臨海1.48(万m²/件)で大きくなっている。電気業を含む場合の工場立地1件当たりの立地面積で見ると、北海道5.50(万m²/件)、関東内陸4.26(万m²/件)、南東北3.90(万m²/件)で大きくなっている。
 電気業を除いた立地件数を都道府県別にみると、立地件数の多い順に、(1)茨城県(75件)、(2)群馬県(63件)、(3)静岡県(55件)、(4)埼玉県、兵庫県(各49件)となった。立地件数の前年比増減を都道府県別にみると、増加件数の多い順に(1)茨城県(20件増)、(2)神奈川県(18件増)、(3)宮城県(17件増)、(4)栃木県(16件増)、(5)群馬県、岐阜県(各15件増)となった。また、電気業を含む立地件数を都道府県別にみると、立地件数の多い順に、(1)茨城県(237件)、(2)群馬県(153件)、(3)栃木県(141件)、(4)静岡県(119件)、(5)福岡県(100件)となった。立地件数の前年比増減を都道府県別にみると、増加件数の多い順に(1)茨城県(90件増)、(2)栃木県(63件増)、(3)静岡県(42件増)、(4)宮城県(39件増)、(5)大分県(36件増)となった。
 電気業を除いた立地面積を都道府県別にみると、多い順に、(1)茨城県(109万m²)、(2)栃木県(93万m²)、(3)埼玉県(85万m²)、(4)群馬県(76万m²)、(5)静岡県(65万m²)となった。また、電気業を含む立地面積を都道府県別にみると、立地面積の多い順に、(1)栃木県(1298万m²)、(2)茨城県(690万m²)、(3)北海道(479万m²)、(4)大分県(467万m²)、(5)宮城県(386万m²)となった。
 電気業を除いた場合の工場立地1件あたりの立地面積が大きかったのは、上位から順に(1)鹿児島県(2.28万m²/件)、(2)栃木県(2.11万m²/件)、(3)秋田県(2.09万m²/件)、(4)香川県(2.03万m²/件)、(5)島根県(1.78万m²/件)であり、一方で、1件あたりの立地面積が小さかったのは、(1)京都府(0.31万m²/件)、(2)奈良県(0.38万m²/件)、(3)長崎県(0.53万m²/件)、(4)山形県(0.63万m²/件)、(5)青森県(0.65万m²/件)であった。また、電気業を含む場合の工場立地1件あたりの立地面積が大きかったのは、上位から順に(1)栃木県(9.2万m²/件)、(2)大分県(6.4万m²/件)、(3)和歌山県(6.27万m²/件)、(4)北海道(5.5万m²/件)、(5)三重県(5万m²/件)であり、一方で、1件あたりの立地面積が小さかったのは、(1)徳島県(0.63万m²/件)、(2)神奈川県(0.81万m²/件)、(3)富山県(0.82万m²/件)、(4)奈良県(0.84万m²/件)、(5)鳥取県(0.85万m²/件)であり、14年度は東京都での工場立地件数は0件であった。
 工場立地における立地地点選定に際して、電気業を除いた場合、事業者が最も重視した項目は、(1)本社・他の自社工場への近接性、(2)市場への近接性、(3)関連企業への近接性であった。また、電気業を含む場合、事業者が最も重視した項目は、(1)本社・他の自社工場への近接性、(2)地価、(3)周辺環境からの制約が少ないであった。
 新設立地に当たって重視した項目は、「最も重視した」、「重視した」を合計した数は「本社・他の自社工場への近接性」が最も多かった。また、例年上位である「地価」は今回も上位となっているが、「工業団地である」も重視されてきている。また、立地に当たって「国・地方自治体の助成」、「地方自治体の誠意・積極性・迅速性」を重視したと回答した企業が、677社(有効回答企業数)中、それぞれ、141社(20.8%)、99社(14.6%)あった。電気業を含む場合、新設立地に当たって重視した項目は、「最も重視した」では、「本社・他の自社工場への近接性」、「重視した(複数回答)」では、「地価」が最も多かった。また、立地に当たって「国・地方自治体の助成」、「地方自治体の誠意・積極性・迅速性」を「最も重視した」もしくは「重視した」と回答した企業が、1757社中、それぞれ166社(9.4%)、178社(10.1%)あった。
 海外立地を検討した企業は28社(前年36社)あり、これらの企業が最終的に国内での立地を選択した理由は「最も重視した」では「原材料等の入手の便」、「市場への近接性」、「国・県・市・町・村の助成・協力」などが各3件、「重視した」では「良質な労働力の確保」、「原材料等の入手の便」、「市場への近接性」、「関連企業への近接性」などが多かった。電気業を含めた場合、海外立地を検討した企業は34社(前年48社)あり、これらの企業が最終的に国内での立地を選択した理由は「最も重視した」では「原材料等の入手の便」や「市場への近接性」、「国・県・市・町・村の助成・協力」が多く、「重視した」では「良質な労働力の確保」、「市場への近接性」などが多かった。
 研究所の立地件数は7件で、前年比で8件の減少となった。都道府県別では富山県、長野県、静岡県、愛知県、大阪府、香川県、長崎県で各1件であった(電気業を除いた場合も同様)。
 電気業を除いた研究開発機能の付設を予定している事業者数は191件で、前年比で1件の増加となった。地域別で立地件数が多いのは関東臨海(32件)、関東内陸(31件)、東海(24件)となった。電気業を含む研究開発機能の付設予定件数は196件で、前年比で3件の増加となった。地域別で立地件数が多いのは関東内陸(33件)、関東臨海(32件)、東海(24件)となった。
 電気業を除いた外資系企業(外資比率50%以上の企業)の工場立地件数は8件で、前年比で2件の減少となった。地域別にみると、関東内陸(4件)、関東臨海(2件)、四国、南九州(各1件)であった。また、電気業を含む外資系企業の工場立地件数は32件で、前年比で10件の減少となった。地域別で立地件数が多いのは関東内陸(12件)、関東臨海(4件)、山陽、北九州、南九州(各3件)であった。
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