商業施設新聞
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No.1046

日本に浸透する“韓流”


岡田 光

2026/3/3

 産業タイムズ社に入社して23年目の春を迎えつつある。入社した2003年は韓国ドラマ「冬のソナタ」が大ヒットした年でもあり、当時同居していた母がテレビ漬けだったのを記憶している。この冬のソナタを契機に、韓国の文化が続々と日本に押し寄せ、第2次ブームの10年ごろには男性アイドルグループの東方神起や、女性アイドルグループの少女時代といったK-POPが日本の歌番組に登場し、彼らは紅白歌合戦にも出場した。近年はBTSやなど、国際的に活躍するグループも増えており、韓流は世界的な現象となっている。

大阪・梅田エリアに開店した「ケミチプ 阪急かっぱ横丁店」
大阪・梅田エリアに開店した「ケミチプ 阪急かっぱ横丁店」
 商業施設において韓国と言えば、頭に思い浮かべるのはビーンズワンカンパニーが手がける「東京純豆腐(トウキョウスンドゥブ)」、東亜フードサービスが手がける「韓美膳(ハンビジェ)」、それからグルメ杵屋が手がける「コリアンキッチン シジャン」だろう。いずれもレストラン街で韓国料理を提供する店舗ばかりだが、ルミネやららぽーと、イオンモールなど大手デベロッパーが運営する商業施設で見かけることもある。国内で韓流ブームが勃興したきっかけもあるが、それ以上に韓国から日本へ観光に訪れるインバウンドが増えたことも影響したと思われる。

 直近の取材でも、飲食店と小売店で韓流を味わった。飲食店ではグラン・マネジメントが展開する名物海鮮鍋ナップコセ専門店「ケミチプ 阪急かっぱ横丁店」が大阪・梅田エリアにオープンした。最初は「ナップコセって何?」という感じだったが、新鮮な手長タコ(ナクチ)、脂の乗ったホルモン(コプチャン)、ぷりぷりのエビ(セウ)を秘伝のヤンニョム(タレ)で煮込んだ海鮮鍋を試食すると、辛さの中に深いコクが感じられ、やみつきになる味わいだった。海鮮鍋にはナムルやニラ、韓国海苔などの薬味やトッピングを自由に入れることができ、自分だけの海鮮鍋を楽しめるのも魅力だ。国内はまだ3号店目だが、今後も店舗展開を進めていくという。

 小売店ではサマンサタバサジャパンリミテッドが大阪・梅田エスト内に、韓国ヘッドブランドの「VARZAR(バザール)」とコラボレーションした1号店「VARZAR×SAMANTHAVEGA梅田エスト店」をオープンした。10~20代の若年層に強いSAMANTHAVEGAと、オンラインのみで10~30代と少し年齢層が広いVARZARが隣り合う店舗で、「鞄を買いに来た」という目的性の強い利用客と、「ちょっと帽子を合わせてみよう」とふらっと訪れる利用客が、互いの店舗を行き来し、セット点数を増やす狙いがある。実際、開店当日に店舗を訪れたが、10代の若者や30代の主婦など、幅広い客層が鞄や帽子の品定めを行っていた。

 日本と韓国は常に競い合ってきた。スポーツでは野球やサッカー、経済では半導体で互いに切磋琢磨し、東アジアを代表する国として確固たる地位を築いてきた。なかなか商業施設では韓国を前面に打ち出すような施設は見かけないが、直近では韓国を代表するホスピタリティグループのソノホテルズ&リゾーツアジアが、名古屋駅近くに新ホテル「ソノムーン名古屋」を開業することを発表した。外食、小売、ホテルと少しずつだが“韓流”は日本に浸透しつつある。その勢いが業界にどのような影響を及ぼすのか、今後が楽しみだ。
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