商業施設新聞
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No.1021

オフィスの近くに外資系ホテルがやってきた


高橋直也

2025/9/2

 商業施設新聞を発行する産業タイムズ社のオフィスは、東京都千代田区岩本町にある。岩本町と言われても、どんな街かイメージがつかない人が多いのではないか。鉄道のアクセスで言うと、東京メトロ日比谷線の小伝馬町駅、JR総武快速線の馬喰町駅、都営新宿線の馬喰横山駅や岩本町駅からも近いが、そう言われてもまだイメージがつかない人も多いだろう。以前、不動産のリサーチなどをしている企業に取材した際、当社周辺の話題になり、「あの辺りはコンバージョンしたり、建て替えてホテルにするなどして不動産の価値を上げる例が多い」と教えてもらった。つまり千代田区ではあるが、丸の内のようなピカピカした街ではなく、中低層のビルが多く、古い建物も少なくない。そんな街にマリオット・インターナショナルが展開する外資系ホテルがオープンした。

「フォーポイントフレックス by シェラトン東京東神田」の外観
「フォーポイントフレックス by シェラトン東京東神田」の外観
 ホテルの住所は千代田区東神田となり、当社がある岩本町ではないが、オフィスからは歩いて5分かからない場所だ。名称は「フォーポイントフレックス by シェラトン東京東神田」。まさか『シェラトン』の名がついたホテルが会社の近所にできるとは思いもしなかった。ただ、外資系とはいっても『高級ホテル』ではない。マリオット・インターナショナルは「JWマリオット」「ザ・リッツ・カールトン」など様々なラグジュアリーブランドを展開するが、今回のフォーポイントフレックス by シェラトンはミッドスケールブランド、いわゆる宿泊特化型の泊まりやすい価格帯になる。

 当社の周辺はホテルが増えている。岩本町は都営浅草線東日本橋駅も利用できるため羽田空港に乗り換えなしでアクセスでき、浅草や秋葉原という日本を代表する観光地も近い。また小伝馬町駅を使えば銀座にも乗り換えなしで行けるなどアクセスが良く、継続的にホテルの開発が進んでおり、ちょっとしたホテル集積地になっている。インバウンドも珍しくなく、ここに外資系ホテルが出店することは合点がいく。

 最近、ホテルの取材や記事を書く中で、フォーポイントフレックス by シェラトンのようなミッドスケールブランドが増えている印象がある。日本は外資系ホテルが足りないが、高級ホテルだけでなく、こうしたミッドスケールブランドも足りないそうだ。先日、IHGホテルズ&リゾーツが展開する「ガーナーホテル大阪本町駅」を取材させてもらったが、客室や1階のパブリックスペース「ソーシャルハブ」はデザイン性が高く、地域性を感じられた。高級ホテルではないが、滞在を楽しめそうだった。今後、外資系のミッドスケールブランドが増えていくとみられるが、当社周辺を含めてホテル集積地には競合も多い。ガーナーのように個性的なブランドを開発することで、選ばれるホテルになっていく。
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