商業施設新聞
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No.1003

横浜ロイヤルパークホテルが外資系と提携


高橋直也

2025/4/22

 横浜・みなとみらいの「横浜ロイヤルパークホテル」が大規模リニューアル後、マリオット・インターナショナルのラグジュアリーブランドカテゴリーである「ラグジュアリーコレクション」として再開業することが発表された。マリオット・インターナショナルとフランチャイズ契約を締結したことによるものだ。みなとみらいは外資系ホテルの集積地として知られるが、また一つ新たな外資系ブランドがオープンすることになる。

 国内の老舗フルサービスホテルであるロイヤルパークホテルが、マリオット・インターナショナルのブランドを活用することは、外資ブランドの勢いを感じさせる。ラグジュアリーコレクションなどコレクションブランドと提携することで、ロイヤルパークホテルはマリオットの会員に対してプロモーションが行えるようになる。ロイヤルパークホテルは日本では知名度を誇るが、海外の旅行者からすれば未知のブランドだ。そうした時にラグジュアリーコレクションを冠していれば、マリオット系の高級ホテルということがわかり、予約する敷居も下がる。

 外資ブランドと提携することはネガティブなことではなく、客層の拡大、ADRの向上など様々なメリットが見込めるが、単独ブランドではなくなる寂しさはある。特に『ロイヤルパークホテル』ブランドは、御三家(東京の帝国ホテル、ホテルオークラ、ホテルニューオータニ)に次ぐものだと思っていた。その一つが外資の力を借りるというのは少し驚いた。ただ、昨今のホテル開発を見渡すと、国内で新規開業したフルサービスホテルはほとんどが外資系ホテル、もしくはラグジュアリーコレクションとダブルネームにするように外資系ホテルと提携したものだ。以前、国内系のホテルオペレーターと話していた際、「不動産オーナーからも外資系ブランドを誘致したいという意思を感じる」という旨を聞き、都心を中心にオペレーターチェンジの際などは出店の難易度が上がっているという。

The Okura Tokyoの客室(写真は開業時のもの)
The Okura Tokyoの客室(写真は開業時のもの)
 ラグジュアリーコレクションはコレクションブランドであり、再開業後も「横浜ロイヤルパークホテル」の商号は残す。筆者は外資系ホテルが大好きな人間なのだが、今回は日本が誇るロイヤルパークホテルとの提携ということもあって、ジャパンブランドとしての特徴を発揮してほしいと思ってしまう。一方、御三家の一つである(株)帝国ホテルは「帝国ホテル 京都」を2026年春に開業する予定だ。帝国ホテルブランドとしては東京、上高地、大阪に次いで4施設目にあたり、1996年の「帝国ホテル 大阪」の開業以来、30年ぶりの新規開業となる。果たしてどのような施設になるか。ホテルオークラ東京の本館建て替えとして開業した「The Okura Tokyo」は和を感じさせつつも、ラグジュアリー感が漂う素晴らしいホテルだった。京都の帝国ホテル、横浜のロイヤルパークホテルがどのようなものになるか注目している。
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