電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第122回

「びわ湖環境ビジネスメッセ」は手づくりで最大級のBtoB展示会だ!!


~2015年は10月21日~23日開催、グリーン物流ゾーン新設~

2015/2/20

 滋賀県といえば、すぐ「びわ湖」を思い浮かべる人は数多い。三井寺、石山寺など国宝たっぷりのゾーンであり、日本最大の湖「びわ湖」は大きな恩恵を周辺の人たちにもたらしてきた。筆者のお気に入りは、びわ湖ホテルであり、ここに2~3泊していると比叡山とびわ湖の景色の移り変わりについうっとり、という状況でほとんどの疲れが取れてしまう、といってもよいくらいだ。

 さて、滋賀県立長浜ドームで毎年開催されている「びわ湖環境ビジネスメッセ」はいつも注目のイベントであり、筆者も最近はよく足を運んでいる。今年の開催は10月21日(水)~23日(金)であり、1998年のスタートから実に18回目を数えるのだ。2014年の来場者は3万5940人であり過去最大、出展ブースも316に及び、これまた過去最高の数字を叩き出している。「関西からの強力な集客力」を最大の売りとしており、何と来場者の8割以上が大阪や京都など地元関西の企業・団体なのだ。つまりは環境エネルギービジネスにおける販路拡大、とりわけ関西への進出を考える企業にとって絶好の商談の場となっている。

 ところで、びわ湖を擁する滋賀県は稀代の環境立県として知られている。水環境ビジネス、新エネルギー、エコプロダクト、廃棄物処理など環境ビジネスに取り組む企業も数多い。そして、日本最大級の環境総合見本市であるびわ湖環境ビジネスメッセは、行政レベルが主催する展示会としては出色の存在なのだ。つまりは、イベント業者が主催するのではなく、行政が地域の人たち、企業のメンバーと一緒になって手づくりで作り上げている。

 滋賀県下には世界に冠たる環境企業が多く存在する。逆浸透膜においては、日東電工、東レなどが拠点を構えている。また、世界トップのエアコンメーカーであり、省エネに優れる業界随一の「うるるとさらら」を量産するダイキン工業がある。燃料電池で事実上、圧倒的なシェアを持つパナソニックも滋賀に量産拠点を持つ。環境エネルギー企業として有名な三菱重工業も滋賀に工場を有する。省エネ照明を推進するNECライティングもある。また、車載向けリチウムイオン電池の世界一企業、GSユアサも滋賀県栗東にどでかい工場を立ち上げた。こうした多くの環境企業を集積する滋賀県は、さらに環境エネルギー関連の企業誘致を強烈に推進している。

 中小企業、ベンチャーについても滋賀県は非常に強い。甲賀高分子はリサイクルなど時代に応える開発で年商100億円に挑戦している。有機ELベンチャーのエイソンテクノロジーは滋賀県大津に拠点を構え、将来の大量産を狙っている。市金工業社は繊維産業向け装置を横展開し、リチウムイオン電池関連の事業を拡大している。自動車排ガス分析で世界トップブランドの堀場製作所も先ごろ大津に新工場建設を決定した。ヒートポンプなどで独自技術を発揮する高橋金属もまたバリバリの環境企業だ。

大陽日酸の移動車式水素エネルギーステーション
大陽日酸の
移動車式水素エネルギーステーション
 一昨年のことであるが、このびわ湖環境メッセに大陽日酸の移動車式の水素エネルギーステーションが出展したことがある。今や水素エネルギーステーションは全国40カ所の一気展開が決まり、燃料電池の急速普及を後押ししていく体制が急ピッチで立ち上がってきた。この大陽日酸のトライアルはすでに2年前に行われていたわけであり、その先見性は大いに評価できるだろう。また、2015年のメッセは新たに「グリーン物流ゾーン」を新設しており、この関連の出展も増えることはまちがいない。
 びわ湖環境ビジネスメッセは現在、全国各地で出展説明セミナーを展開しており、大阪、名古屋に続き、2月20日(金)14:00~からはいよいよ東京(フクラシア東京ステーション6F、東京駅日本橋口から徒歩1分)で開催される。14:00からの約2時間で、筆者(泉谷渉)は約60分の講演(内容は燃料電池・水素エネルギー・太陽電池・水処理など環境ビジネスの将来像)を行う。受講は無料。問い合わせはTel.075-528-3793、またはWebで「びわ湖メッセ」を検索。なお出展の締め切りは5月末日。


泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。30年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 社長。著書には『半導体業界ハンドブック』、『素材は国家なり』(長谷川慶太郎との共著)、『ニッポンの環境エネルギー力』(以上、東洋経済新報 社)、『これが半導体の全貌だ』(かんき出版)、『心から感動する会社』(亜紀書房)など19冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長 企画委員長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。
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