電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第592回

九州シリコンアイランドの中核は熊本、9/26~27に視察ツアー開催!


台湾TSMC進出による7兆円の経済効果を泉谷渉が現地で講演!

2024/8/23

 「半導体を制する者が世界を制する!」という時代の到来がはっきりと見えてきたのである。半導体産業は国家安全保障の要であり、サプライチェーンのコアであり、そしてまた今日にあっては世界の政治・経済の超烈なリード役を果たしている。2025年にも100兆円市場を突破する勢いであり、ニッポンの復権をかけた挑戦が始まっている。

 さて、国内の半導体生産の3分の1を担うのが九州シリコンアイランドである。なかでも、熊本県は日本一の半導体王国ともいうべき存在であり、最近では台湾の大手半導体企業のTSMCが1.2兆円を投じ第1工場を立ち上げた。引き続き、2兆円を投じる第2工場建設もアナウンスされており、なんと熊本県下に3.2兆円という巨額の投資が舞い降りてきたのだ。ちなみにTSMCは事実上の半導体生産世界一のカンパニーであり、最先端技術を持つだけでなく、世界ナンバーワンの投資を断行していることでも知られている。

 一方、国内半導体最大手のソニーも37万m²という巨大な土地を取得し、大型新工場を計画するなど、活気にあふれている。ソニーは人間の目にあたる画像センサー(CMOSイメージセンサー)の分野で断トツの世界シェアを持っている。

 そしてまた、熊本には大手の半導体関連企業が集積しており、その厚みは他県の追随を許さない。半導体製造装置で世界ランキング最上位の一角にある東京エレクトロンが開発・生産拠点を構えており、現在は新開発棟の建設に取り掛かっている。

半導体フィーバーに沸く熊本
半導体フィーバーに沸く熊本
 半導体製造に伴うマスフローコントローラーという分野で世界シェア60%以上を押さえているといわれる堀場製作所も、連続した設備投資を実行している。CMP装置で、世界ランキング2位の荏原製作所も大型拠点工場を構えているのだ。

 その他にも、ウエハー搬送ロボットで世界トップを行くローツェ、半導体検査装置で世界2位のテラダインなども進出している。地元企業では人材カンパニーに注力する一方でロボット開発を進め、工場まで保有するマイスティア、半導体めっき大手のOGICなどもあり、まさに壮観とも言ってよい工場群が林立しているのである。

 熊本の半導体フィーバーを一度でいいから見てみたい!という人たちはかなり多いのだ。こうしたオファーに応えて、日本経営開発協会/関西経営管理協会は「熊本半導体関連企業視察ツアー」を2024年9月26日(木)~27日(金)の2日間にわたって開催する。

 今回のツアーにおいては、半導体業界最古参の記者である泉谷渉がツアーコンダクターとなり、熊本で起きている半導体による街おこしの実態を解説していく。

 1日目は13時に熊本空港に集合し、多くの半導体企業が立地するシリコンテクノパークを視察する。台湾TSMC第1工場、ソニーセミコンの本社工場、東京エレクトロン九州などの工場外観を見ながら、記念撮影を行う。その後、堀場製作所の現地法人である堀場エステック阿蘇工場、ローツェの熊本拠点、マイスティアの益城本社などを訪問し、工場視察を行う。

 2日目は、熊本県庁を訪問し、熊本県企業立地課のレクチャーとQ&A。そして、13時から15時までは、熊本城の見える熊本ホテルキャッスルにおいて、泉谷渉の講演とQ&Aというスケジュールになっている。16時には熊本空港に到着し解散するというタイムスケジュールである。

 シリコン列島ニッポンによる国起こしが日本各地で巻き起こっている現時点において、その先頭に立っている熊本の実態を把握するには、まことにグットタイミングのツアーであるとは言えよう。

 同ツアーに関する問い合わせ先は、Tel.06-6312-0691、FAX06-6312-9022(関西経営管理協会 担当中村)。


泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 取締役 会長。著書には『自動車世界戦争』、『日・米・中IoT最終戦争』(以上、東洋経済新報社)、『伝説 ソニーの半導体』、『日本半導体産業 激動の21年史 2000年~2021年』、『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』(産業タイムズ社)など27冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。
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