商業施設新聞
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No.967

「SC内のクリニック」の利点を実感する


高橋直也

2024/8/6

 あまりにも歯科検診に行っていなかったので、久しぶりに歯科クリニックへ足を運んだところ、いろいろ問題が見つかった。そのため今は歯科クリニックに足しげく通って治療している。自宅から最寄り駅に行く途中に歯科は複数あるのだが、商業記者としてはやはりショッピングセンターのクリニックモールを選んだ。通いだすとショッピングセンター内にあるのはこの上なく便利であると気づく。

 SCは集客力を高めるため、足を運びやすいところにあることが多く、筆者が通うクリニックも駅前にある。また土日や平日の比較的遅い時間まで営業しているのも助かる。早めに着けばSC内を回遊できるし、治療が終わった後は買い出しもできる。ただし、利便性が高いためか、予約が取りにくく、特定の曜日、時間は一カ月近く先の予約になってしまう。歯科クリニックは街中にたくさんあるが、SC内はどうやら人気のようだ。

 以前、クリニックモールを新規で導入した大型SCを取材したことがある。クリニック側もSC内は集客しやすいため、出店意欲が高いらしい。SC側としてもクリニックは目的性が高いので、来館動機になる。クリニックをきっかけに自社のSCに初めて足を運んでもらう、日常的に使うようになることも期待できるという。都内ではSCは多く、1つの駅周辺に複数立地することも珍しくない。そのため生活圏内にあるSCでもあまり使わないということはある。そうした場合、土日も営業しているクリニックの導入を来館につなげたいそうだ。こうした話を聞いたうえで、いざSC内のクリニックモールに通いだしてみると、SC事業者が積極的にクリニックを導入する理由に納得である。

SC内にクリニックがある利点を実感した(写真は筆者が通う歯科クリニックではありません)
SC内にクリニックがある利点を実感した
(写真は筆者が通う歯科クリニックではありません)
 ところで、筆者の治療などを担当してくれる歯科医や歯科衛生士は非常に丁寧に説明をしてくれる。昔はこうではなかった気がする。差別化の一環かもしれない。以前、親知らずを抜いたとき、明らかに抜くのに失敗して「あれ……?」と歯科医が漏らし、困ったように何度も「んー……」と言いながら、特に説明はないまま歯と歯茎をグリグリされ続けた。医療は日々進歩しているが、業態の進化は技術やテクノロジーだけではなく、コミュニケーションの側面からでも可能だ。
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