（株）SCREEN GPジャパン（東京都江東区）は、2002年の設立以来、国内の印刷業界およびプリント基板業界を支える装置・機器の販売会社として発展してきた。プリント基板業界向けには、描画や検査向けのSCREEN製装置に加え、その周辺工程をカバーする他社製の装置群も取り扱い、顧客の多様なニーズに応えている。現在の取り組みや今後の展開をPE営業統轄部の坂野冬樹統轄部長と池田智久担当副部長に聞いた。

―― プリント基板業界向けに多様な装置を取り扱っていますね。
　坂野　SCREENの創業事業である印刷・製販関連機器とともに歩んできたことが背景にある。かつて印刷業界にデジタル化の波が押し寄せた際に、自社装置だけに限らず、取扱商品を増やしてトータルソリューションを顧客に提供する商社機能を強化したが、プリント基板業界向けの装置もこれに倣った。取扱商品の売上高はプリント基板向け装置全体の15％を占めており、品目を増やしてきたことで年々増加している。周辺や前後のプロセスまでカバーすることで、自社製品の価値をさらに高める狙いもある。
　池田　メーカーと商社の機能をあわせ持ち、プリント基板業界向けに装置群を提供しているのは、国内では当社が唯一だ。輸入販売している装置であっても、当社グループのエンジニアが全国にわたってサービスサポートを提供していることも、仕入先・顧客ともに安心して取引いただけることにつながっている。

―― 取扱商品について。
　坂野　台湾A-TECH社製のプリント基板リペア装置は、SCREENの光学式外観検査装置「MIYABI」と連携し、検査データを自動的に取り込んでショート、オープン欠陥を自動でリペアすることが可能だ。高多層化やMSAP工法の増加で、基板1枚の付加価値が高まるにつれてリペアの重要性も増しており、近年は特に引き合いが増えている。
　池田　韓国現地法人の子会社であるTRIVIS社の検査装置は、MIYABIよりもさらに細かな分解能（2～3μm）に対応可能だ。フルオートのAOIやガラスマスク検査装置もラインアップしており、主に特注機として柔軟な対応が可能だ。

―― ベルギーのUcamco社の製品も取り扱っていますね。
　坂野　フィルムマスクを製造するレーザーフォトプロッターや各種ソフトウエアを取り扱っており、国内にも数多くの納入実績がある。Ucamcoは、SCREENの直接描画（ダイレクトイメージング＝DI）装置「Ledia」の欧州代理店でもある。

―― 23年には（株）ソフミックス（浜松市）とも提携しました。
　池田　ソフミックスは外周仕上げ切断機や端子面取機、Vカットマシンなどを手がけている。新たな切断方式の開発に成功したことで、置き換えや入れ替えの需要に対応しており、具体的な商談が進行中だ。

―― 今後の展開は。
　坂野　印刷関連事業に倣い、リカーリングビジネスを強化・拡大するため消耗品を増やしたいと考えており、英テクネック社のクリーニングローラーの取り扱いを始めた。独自開発のエラストマーで静電気を拡散しながら、20nmまでの非粘着異物を確実に除去できる。現在はハンドローラーを販売しているが、将来的には装置組み込みのクリーナーユニットへの採用を目指していきたい。
　池田　SCREENの3つの事業カンパニーが協力して開発した次世代先端パッケージ用DI装置「LeVina」（レビーナ）の拡販を進めたい。Lediaよりさらに微細なL／S＝5／5μm対応機と、2／2μm対応機があり、すでに中国などに納入実績がある。2μm以下を描画するとなれば、ドライフィルムレジストでは対応が難しくなるため、市場要求に先がけて液状レジストを塗布する専用装置をSCREENグループ会社で開発しており、全社一丸となり半導体後工程市場に貢献していきたい。

―― 24年度の目標は。
　坂野　6月に開催されるJPCA Showで発表する新型DIをはじめ、「Ledia8F」などの新製品をしっかりローンチする。すでに受注をいただいており、これらを業界のスタンダードとして定着させる活動を進めていきたい。