商業施設新聞
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No.946

戻ってきた試食の機会


松本顕介

2024/3/5

 「国際ホテル・レストラン・ショー」「フード・ケータリングショー」「厨房設備機器展」からなる展示「HCJ2024」(主催=日本能率協会、会期=2月13~16日)が開催され、会場の東京ビッグサイトを訪れた。会場に足を踏み入れると、新型コロナウイルスの感染が落ち着きマスク無しで人々が歓談したり、真剣なまなざしで商品説明や名刺交換、商談する姿が多く目につき、なんだか熱気を感じた。

 出展者のブースでは昨今の人手不足を反映してか、自動調理機やロボットの提案が活発だ。とあるブースの担当者と話して印象的だったのが、この会社が展開している自動のり巻き機。近年の日本食ブームもあり、特に海外向けが増えており、海外向けではデザイン面に力を入れたのだという。国内では食品スーパーのバックヤードでの総菜調理で活躍するため、一般消費者の目に触れることはないが、海外ではオープンキッチンで使われることが多いため、スタイリッシュなデザインが求められるのだという。

試食の機会が帰ってきた
試食の機会が帰ってきた
 そして目新しくはないが、チャーハン調理器の攪拌や鍋振りにはいつも目を奪われてしまう。ごはんと溶き玉子が鍋に投入され、次いでチャーシューなどその他の具材が投入されると、円形の撹拌機が具材とごはんを混ぜ、徐々に火が通り始めるとロボットアームが鍋を振り、塊だったご飯がパラパラな状態となって宙を舞う。これはもはや圧巻のショーやライブパフォーマンスといえるだろう。すると担当者ができあがったチャーハンをふるまう。そうなのだ。コロナ5類指定になったせいか、昨年よりも各ブースが用意する試食が増えたと思う。このほかにコーヒー、パスタや寿司やスイーツ、最新の電気式ピザ窯で焼いたピザもあり、盛りだくさんだった。会場の通路で配られていることも多く、つい頂いてしまう。「もうすぐ美味しいマルゲリータが焼けます」なんてアナウンスが耳に入れば、ふらっと寄ってしまう。

 ついこの間まで、コロナでこうした試食どころか、人と接すること自体がご法度だったのが信じられないほどだ。試食し過ぎてカロリーが気になる所だが、そこは広い会場を歩きまくってカロリーを消費することが必要だ。
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