電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第546回

ハナマイクロン 代表理事 李東哲氏


韓国一のOSAT企業に飛躍
23年は過去最高の売上高を目指す

2023/10/13

ハナマイクロン 代表理事 李東哲氏
 ハナマイクロン(韓国・牙山市)は、半導体パッケージングおよびテストの専業企業。2001年にサムスン電子のメモリー事業部から分社化するかたちで現在の社名で設立され、05年にはKOSDAQ市場へ上場した。現在、サムスン電子やSKハイニックスを中心に、韓国内外の顧客とのパートナーシップを通じて成長を続けており、韓国トップのOSAT企業として地位を確立している。今回、同社代表理事の李東哲(イ・ドンチョル)氏に話を伺った。

―― お生まれと略歴について教えて下さい。
 李 生まれはソウル市鍾路区で、大学は延世大学電子工学を専攻した。その後、サムスン電子(当時はサムスン半導体通信)の研究所に入社し、28年間サムスン電子に在籍した。在籍中は日本サムスンにも10年間在籍した経験がある。12~18年にはサムスンモバイルディスプレーとサムスンSDIにも在籍し、19年に当社に入社した。

―― 事業概要と現状について。
牙山工場のパッケージライン
牙山工場のパッケージライン
 李 本社(牙山工場)では、主にサムスン電子との事業を展開している。サムスン電子のメモリー事業は、メモリー市況の低迷によって23年下期は影響があると予想されているが、23年11~12月にDRAMの量産拡大によって回復する可能性も排除できない。サムスン電子の非メモリー半導体向けのテスト部門は、第1、2次投資に続き、10月から3次投資の設備搬入を開始した。これにより、24年1~3月期に発売が予定されているモバイル向け(RF、アプリケーションプロセッサー)を中心に10月末から本格稼働させる計画だ。

―― 本社以外では。
 李 ベトナム法人のHMV(HANA Micron VINA)で22年末から量産を開始しており、SKハイニックス向けのパッケージング・テスト品に対応している。現在は量産を拡大している段階で、23年7月以降は安定的に生産している。今後はDDR5などの新規製品の量産による売上増に期待を寄せており、キャパアップなどで持続的な物量拡大を図る計画だ。

―― 貴社の技術などの優位性について。
 李 半導体パッケージングにおける要素技術の1つが軽薄・小型化の工程技術で、この分野においては業界最高の製造技術を保有している。製品としてはDDR5 16GBチップ生産、DDR5 8チップ積層128GB、MCP(NANDフラッシュ+DRAM)18段積層などがある。また、ASICデバイスには様々な種類のパッケージングが求められ、当社はWB、FC、SiPなどほぼすべてのパッケージングを提供している。最近は、このような品質や競争優位性をベースに、韓国だけでなくグローバルで車載半導体向けのパッケージング事業を拡大している。

―― 近年の業績について。
 李 20年度から好調に推移しており、22年に大幅に伸び、売上高6080億ウォン、営業利益522億ウォンを計上した。特にテストビジネスが大幅に増えたことに加え、ベトナムビジネスの効果が大きく寄与した。ハナマテリアルズなどを含めた22年のグループ売上高は8944億ウォン、営業利益1035億ウォンだった。23年は半導体不況であるが持続的に成長すると予想しており、グループ売上高1兆ウォンを見込んでいる。さらに24年には売上高1兆5000億ウォンの達成を目指す。

―― 最近注力している分野は。
 李 現在はパッケージングだけでなく、テストビジネスを拡大しており、非メモリー半導体向けの事業拡大を進めている。また、エンジニアリングソリューションを強化するため、人材確保を積極的に進めている。

―― 今後の取り組みについて。
 李 当社は、14年にメモリーSiP領域でグローバルOSAT企業のトップに浮上し、16年には業界初でフレキシブルパッケージングの実用化に成功した。このような実績を含めて韓国国内だけでなく、海外企業とのパートナーシップを持続的に強化し、グローバルOSAT企業になることを目指す。また、サムスン電子のファンドリー事業が規模を拡大するなか、こうした韓国でのビジネスチャンスを活かし、事業規模を拡大する考えだ。このほか、SiP関連事業および車載半導体パッケージング技術など、先端パッケージングの技術強化にも力を入れる。さらに、ブラジル拠点のHT Micron、ベトナム拠点のHMVを中心に、海外市場の生産・運営体制も強化していく。

(聞き手・嚴智鎬記者)
本紙2023年10月12日号1面 掲載

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