地元のさいたま新都心が大きく変わろうとしている。駅前では大型ショッピングセンターの建設が進み、今後は大型病院の移転なども計画されており、ますます街は大きくなっていく。浦和、大宮に挟まれ、立地・機能面ともに微妙なポジジョンだった同エリアは、近接する2都市に負けない街づくりを進めている。
さいたま新都心エリアといえば、以前は特筆すべきものがなく、正直あまり魅力的な街とは言えなかった。25~30年ほど前には、現在コクーン新都心2期工事が行われているところに、(株)片倉工業が運営する「カタクラパーク」というショッピングエリアがあった。幼少のころはそこに連れて行ってもらうのが楽しみであったことを記憶している。当時は屋内遊園地のようなものがあり、近所に住む幼馴染とそこに行くのが楽しかった。だが、覚えているのはそれくらいで、とにかく「何もない」というのがイメージだった。
2000年にさいたま新都心駅、同年にさいたまスーパーアリーナが開業し、一気に街の整備が進んだ。04年に駅前にコクーン新都心ができ、映画館が併設されて感動したのを覚えている。今でこそ県内にもシネコンを中心に映画館が増え、観る場所に困ることは少なくなった。だが当時は、きれいな映画館は大宮サティ(現イオン大宮店)くらいしか思いつかないほど、県南エリアには映画館が少なかった。浦和、大宮にも単館の映画館はあったのだが、どうも進んで行く気にはなれず都内まで出て行くケースが多かったので、あの地に映画館が出来たのは事件とも言うべき大きな出来事だった。
さいたまスーパーアリーナには、近接して「けやき広場」という飲食店を中心とした商業施設がある。そこにはスターバックスコーヒーさいたま新都心店があり、筆者はそこでスターバックスデビューを果たした。今は国内1000店を突破し、街中でも当たり前のように見かけるが、あのオシャレな緑の看板を見た当時の高揚感は独特のものがあった。それ以降、けやき広場に行った時は「TSUTAYAからのスタバ」という流れが自分の中で完成した。
今、さいたま新都心はさらに生まれ変わろうとしている。東口駅前では、前述したコクーン新都心が第2期工事を進めており、「コクーンII」として来春オープンし、さらに敷地内にあるイトーヨーカドー大宮店の建物を「コクーンIII」としてリニューアルオープンする。駅直結で、これだけ大規模なショッピングエリアを展開するのは、おそらくあまり例がないだろう。また、西口には県立小児医療センター、さいたま赤十字病院の2病院が移転してくる。こちらも工事が進んでいて、両病院とも16年内に完成する予定だ。
去る12月3日には、埼玉県桶川市に本社を構える(株)LIXILビバが本社機能をさいたま新都心に移し、「スーパービバホームさいたま新都心店」を核とした「ビバモールさいたま新都心」をオープンした。また今後は造幣局や、大宮警察署の移転も予定されており、様々な機能を持った街へと進化を遂げる。
やはり自分が住んでいた街が整備され、発展を遂げると嬉しい。あの場所はかつて、ああだったなぁと懐かしみながら、これからどのような街づくりが行われ、どんな顔を持つ街に成長するか楽しみに待ちたいと思う。