商業施設新聞
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No.484

銀座らしさ


永松 茂和

2014/12/2

 一般庶民にとって、とっつきにくかった銀座の街が変わったのはいつからだろうか。銀座といえば、有名ブランドショップが立ち並び、国内で最も敷居の高い街だ。その街を大きく変えた要因の1つがユニクロの出店といえる。アパレル不振のなか、ユニクロの存在は絶対的であり、老若男女あらゆる層から支持を受けている。30周年感謝祭のセールのせいもあるかもしれないが、近くのSC内にあるユニクロでは、閑散としたほかの店舗を尻目に、レジには店内を半周するほどの長い行列ができていた。

 そのユニクロが銀座に進出したのは08年のリーマンショックに前後してで、同じころH&M、アバクロンビー&フィッチ、フォーエバー21、GAPなどのファストファッションが銀座のメーンストリートである中央通り沿いに続々と進出した。その締めくくりとなるのが12年3月のユニクロ銀座店、ジーユー銀座店といえる。

 ユニクロ銀座店は売り場が約5000m²もあり、ユニクロのグローバル旗艦店の位置づけだ。特にジーユー業態は従来のファストファッションの価格をさらに下回る業態で、同店の銀座のメーンストリートへの進出は若者を街に呼び寄せる十分な材料となり、銀座を大きく変える決定的な出来事といえる。

中央通り沿いで一際目立つキラリト ギンザの外観
中央通り沿いで一際目立つ
キラリト ギンザの外観
 その銀座のメーンストリートの一角に先ごろ商業施設の「キラリトギンザ」がオープンした。メーン通りの一番外れにあるが、外観はダイヤモンドのような光る派手なデザインで、歩いていてもすぐ目立つビルで壮観だ。

 テナント全52店で12階建て複合ビルの内部は1階がファッション雑貨、2階がブライダルジュエリー、3階がギフトアクセサリー、4階がレストラン、5階がハンドメードアクセサリー、6階が国内工芸品、7~8階がレストラン、9~10階がブライダル関係、11~12階がウェディングゲストハウスという構成。文章で表現するとイメージは伝わりにくいかもしれないが、一言で言えば非常に高級感があり、デベロッパーのオリックス(株)のコンセプトである「銀座でいちばん幸せな場所」が伝わってくる施設だ。ワンフロアすべてをジュエリーショップで構成したり、その売り場に1億円規模の商品を陳列してあるのも、他の商業ビルではこれまでに見たことはない。個人的にはおそらく2度と足を運ぶことはないと思うが、そういう敷居の高い施設があるのが銀座らしさといえるのかもしれない。
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