商業施設新聞
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No.464

住宅考


永松 茂和

2014/7/8

 年には勝てないと言われるが、まだそれほどの高齢ではないものの、そのことを節々に感じることがよくある。近くのものがよく見えない、疲れがすぐに取れないなど数えればきりがない。気持ち的には若いつもりでいるものの、体が付いてきてくれない状況だ。こればかりは医者がどのような薬を処方しようが、手術をしようが治しようがないのが現実であり、不老長寿の薬ができればノーベル賞は確実といえる。

 現在、自分の住む家も同様の状況であり、築後40年が経過した。一般な木造住宅の耐用年数を20年とすればほぼ倍の年月を経過しているわけであり、世間的には古家、ボロ家と言われる部類に入る。実態はどうかというとその通りである。木造住宅は、手を加えれば何年でも住むことができるというがやはり限界はある。隙間風がそこかしこから入ってくるため、冬はとにかく寒いし、夏はうだるような暑さだ。窓や雨戸の建て付けも悪いため、思った通りには閉まらなくなり、床も部分的には落ち込んでいる状態だ。

 さらに追い打ちをかけたのが2月の大雪である。この類を見ない大雪で、近所でもカーポートなど家の一部が壊れた家があり、大工はてんてこ舞いの状況が続いていた。当然のことながら我が家も類にもれず玄関上の軒がさらに傾き、コツをつかまないと玄関のカギが施錠できなくなってしまった。

 いよいよ決断の時が来たのかもしれない。大掛かりなリフォーム、改築、移転など様々な方策が考えられる。ただ、いずれにも共通するのが一定の金額がかかるということだ。新築するとなると3000万円、大規模リフォームでも1000万円以上は下らないと見られる。最初に取り上げた年齢のことを考慮すればどうしても躊躇してしまう。

様々な家が立ち並ぶ住宅展示場
様々な家が立ち並ぶ住宅展示場
 先日、休日によく行くショッピングセンターの近くにある住宅展示場に足を延ばしてみたが、その敷地内には住宅メーカー各社のモダンでお洒落な家が数多く立ち並び、休日だったせいかもしれないが、消費税アップ後にもかかわらず多くの人が訪れていた。良いものを見れば欲しくなるのが人間の性だ。話を聞くと今の家は一律に高断熱、高気密であり、冬は暖かく夏は涼しいといい、今の我が家とは正反対の状況だという。数件の家を見せてもらったが、現実に戻されると思い価格は聞かずに帰ってきた。

 いずれにせよ、今の状況のまま住み続けることを含め、難しい選択を迫られており、近いうちには何がしかの結論を下す予定である。
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