工場計画情報
新聞情報紙のご案内・ご購読 書籍のご案内・ご購入 セミナー/イベントのご案内 広告のご案内
第8回

東亞合成 高岡工場、接着剤製品の世界的生産拠点、野菜工場も併設


2014/6/17

工場長の服部宗司氏
工場長の服部宗司氏
 東亞合成(株)(東京都港区西新橋1-14-1、Tel.03-3597-7215)は、「化学事業を通じて より多くの人々と より多くの幸福を分かち合う」という企業理念のもと、多くの化学製品を手がけている。その製品群のなかには世界的な瞬間接着剤「アロンアルフア」などがあり、同製品を含めた高機能接着剤の中核拠点が、富山県高岡市にある東亞合成(株)高岡工場(同市伏木2-1-3)である。
 工場の敷地面積は26万4850m²、建物の延べ床面積は6万2180m²。同社グループで日本海側に位置する唯一の生産拠点で、九十数年の歴史を有する。富山県高岡市という地域について、工場長の服部宗司氏は「富山県は歴史的に見て災害が少ない地域であるため、リスク分散などを考えるうえで最適な地域」とし、県民性についても「まじめかつ几帳面で粘り強い」と人材面でのメリットも強調する。
東亞合成高岡工場
東亞合成高岡工場
 現在、高岡工場は生産品の約9割が接着剤製品で占められる。その用途としては住宅用建材のラッピング加工用、ICカードの積層接着剤、自動車向けなどのほか、近年は「2次電池関連やフレキシブルプリント基板といったエレクトロニクス関連分野でも採用を増やしている」(服部宗司工場長)という。
 高岡工場では様々な種類の接着剤を製造しており、産業用では顧客の仕様にあわせ配合し最適な製品へと仕上げるなど、その技術力・対応力が評価されている。なお、一般用瞬間接着剤においては、現在約8割強の市場シェアを有している。
 設備面では2012年に新棟を建設。そこに神奈川県ならびに茨城県に保有していた接着剤関連の工場を移転させ、13年6月には名実ともに東亞合成の接着剤製造の中核拠点としての地位を確立した。そのほか趣向の異なるものとしては、11年秋から工場内に完全閉鎖型の野菜栽培棟の運用を開始しており、レタス類を中心にトマトの苗やバジル・チャービルなどのハーブ系野菜の栽培を手がけている。「CSR(企業の社会的責任)の観点から、地元に還元できるようなものはないか、ということで検討を進め野菜工場の建設を決めた」(服部工場長)。13年には従来比1.5倍となる拡張工事も実施。野菜苗生産国内最大手であるベルグアース(株)(愛媛県宇和島市)と提携し、同社の育苗技術を導入しながら事業を展開している。
 今後の注力分野について、服部工場長は「市況を見ていると、電子分野や自動車分野などが伸びているが、当社としては特定の分野を決めずに、お客様のニーズに対して常に最適なものを供給していく姿勢を継続していきたい。また、現在のシェアを維持するためにも常に新しい製品を生み出していくことも重要視している」としており、その新製品については「これからも接着剤を新たな分野に向けて開発していくことにこだわっていきたい」と語った。
サイト内検索