電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第78回

UMC(聯華電子) CEO 顔博文氏


「ニッチ」と「先端」を対等に
28nm 第2四半期から量産出荷

2014/6/13

UMC(聯華電子) CEO 顔博文氏
―― 顔CEOが就任されてから、貴社のイメージが変わったように思います。就任後の取り組みをお聞かせ下さい。
 顔 28nm世代のような先端プロセスを用いる領域と、アナログやMEMS、CMOSセンサーなどに用いるスペシャリティープロセス領域のファンドリー事業を対等な立場に位置づけたことが、これまでと大きく異なる。以前は先端プロセスの優先度が高かったが、スペシャリティー領域の市場拡大に伴い、事業方針を見直している。

―― スペシャリティー領域の事業環境は。
 顔 昨年末から非常に需要が舞い込んでおり、当社の業績に大きく貢献している。具体的にはパワーマネジメントIC、LCDドライバーなどだ。スペシャリティー領域の事業規模はすでに売り上げの約4割に達してきており、今後も事業を拡大していきたい。

―― この領域の受託生産が増えている背景は。
 顔 日本をはじめとするIDM企業が生産・開発戦略を大きく変えているためだ。数年前からファブライト化が進み、現在は自社での研究開発を抑制する「R&Dライト」も進んでいる。こうした状況を考慮し、現在、当社が提唱しているのが「IDM+」というコンセプトだ。

―― 具体的には。
 顔 IDM企業とファンドリー企業である当社がデバイスの開発段階から協業することで仮想的にIDMを構築しようとするもので、開発費負担の軽減や期間の短縮が図れる。新日本無線と共同で開発したアナログIC向けの製造プラットフォームはその具体的な成功例だ。

―― 先端プロセスにおける現状を教えて下さい。
 顔 28nm世代はこの第2四半期(4~6月)から量産用ウエハーの出荷を開始した。出荷を開始したのは、Poly/SiON2を用いた「28LP」というもので、28nm世代はこれを合わせて4つのプラットフォームを取り揃えている。HKMG(High-k/Metal Gate)を用いたHPMとHPについても順次量産展開を図っていく予定だ。

―― 28nm世代の生産体制は。
 顔 現在、台南のFab12Aで月産1万枚のキャパシティーを有しているが、15年第2四半期をめどに、これを1.8万枚体制、さらに15年後半には2万枚体制に引き上げる計画だ。28nm世代の売上比率は第2四半期時点で1%程度だが、第4四半期には7%にまで上昇すると見ている。

―― 28nm世代以降の計画は。
 顔 当社は20nm世代をスキップし、14nm世代に開発リソースを集中している。14nmは今年末には認定取得が完了する見込みで、来年の第1四半期には最初の顧客のテープアウトを予定している。生産はその1年後の16年第1四半期になるだろう。

―― 競合他社がパッケージなどバックエンドサービスの強化を図ろうとしています。貴社のスタンスは。
 顔 競合他社のやっていることは前工程と後工程の垂直統合化であり、ファブレスやIDMなどの顧客にとっては選択肢が減ってしまうことを意味し、必ずしもユーザーフレンドリーではないと思う。当社もパッケージやテスト工程の開発を進めているが、あくまでもOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly & Test)企業などと連携したかたちでのターンキーソリューションを展開していくつもりだ。


(聞き手・本紙編集部)
(本紙2014年6月11日号1面 掲載)

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