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第6回

太子食品工業日光工場、クリーンルームの豆腐工場、一丁寄せ製法で賞味期限の長期化実現


2014/5/13

日光工場外観
日光工場外観
 太子食品工業(株)(青森県三戸郡三戸町大字川守田字沖中68、Tel.0179-22-2111)は、1940年に青森県三戸町で創業。日本で初めて遺伝子組み換え大豆不使用宣言を行ったことで知られる。十和田工場(青森県十和田市)、三戸工場(青森県三戸郡三戸町)、田子工場(青森県三戸郡田子町)、雫石工場(岩手県岩手郡雫石町)、古川清水工場(宮城県大崎市)、日光工場(栃木県日光市町谷739-1)を有しており、日光工場は98年に稼働している。
 豆腐の製造には、水、豆、にがりが重要で、その水を確保するため、同社の工場はすべて国立公園を水源とする伏流水があるところに立地している。大豆は化学肥料や農薬を使用しない有機原料を使用、にがりは数億年前の太古のものを使用しているという。
 日光工場の敷地面積は約3万3000m²(1万坪)、延べ床面積は約1万900m²(3300坪)。従業員は107人で、ほかに60人程度の請負業者がいる。生産能力は1日32万丁。3交代制で操業しており、365日24時間稼働だが、1日4時間はラインを止めて洗浄を行っている。水は1日に4000t使用し、排水は1日3000t。大豆は20t、国産と海外産を半々で使用。ほぼ同量のおからが発生するが、これはおからサイレージとして酪農家に販売している。
豆腐はクリーンルームで製造。アクリル板に囲われた部分はクリーン度が高くなっている
豆腐はクリーンルームで製造。アクリル板に囲われた部分はクリーン度が高くなっている
 同工場は、一丁寄せ製法というオリジナルの製法により豆腐を製造している。豆腐の製造は、まず厳選された大豆をサイロで貯蔵。よく洗浄してホコリを落とした後、浸漬室で大豆を水に漬けてやわらかくし、大豆を目覚めさせる。その後、大豆をすりつぶし、水を加えてどろどろの状態にする。釜の中に蒸気を吹き込んで瞬間加熱して、細菌を除去。ろ過して豆乳とおからに分けて、豆乳を10℃以下に冷却する、それににがりを混ぜて、1丁ずつ容器に充填。スチームで加熱して絹ごし豆腐になる。その後、1回砕いてそれをプレスし、余分な水分を飛ばすと木綿豆腐となる。同工場の製法では、豆腐が人の手に一切触れることなく出荷できることから、通常より長い賞味期限を実現している。微生物検査を実施して出荷しており、検査には一晩かかる。結果が出てから出荷しているが、過去に問題があったことはない。
 製造スペースはクラス10万のクリーンルーム、アクリル板に囲まれたスペースはクラス1000のクリーンルームとなっている。工場の敷地はすでにいっぱいで、ここでの施設拡張は不可能な状態だという。
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