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経済産業省、工場立地動向調査発表、13年は1873件・7534m²、太陽光発電で電気業が大幅増加
2014/4/22
経済産業省は、2013(平成25)年1~12月の工場立地動向調査(速報)をまとめた。これによると、工場立地件数は1873件で前年比52.6%増、工場立地面積は7534万m²で同140.1%増となった。工場立地件数および工場立地面積が大幅に増加した理由は、太陽光発電を目的とした電気業の立地案件の増加が大きな要因であり、電気業を除いた工場立地件数は829件で同11.6%減、工場立地面積は1076万m²で同2.4%減となった。工場立地件数に占める電気業の割合は55.7%、工場立地面積に占める電気業の割合は85.7%になる。
東日本大震災による被災7県(青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県および千葉県)での工場立地件数は387件(前年244件、前年比58.6%増)、同7県における工場立地面積は1928万m²(前年796万m²、前年比142.2%増)となった。電気業を除いた工場立地件数は171件(前年191件、前年比10.5%減)、工場立地面積は295万m²(前年266万m²、前年比11.0%増)となった。
立地件数を移転立地と移転でない立地(自社の既存工場の全部または一部を廃止する計画を伴わない新規立地)の別に見ると、移転立地件数は304件となり、移転でない立地件数は1568件となった。移転でない立地件数の割合は83.8%で、前年から11.3ポイント増加した。また、電気業を除いた移転立地件数は304件となり、移転でない立地件数は524件となった。移転でない立地件数の割合は63.3%で、前年から0.8ポイント減少した。
企業規模(資本金規模)別立地件数は、資本金1000万~5000万円未満の企業による立地件数が711件となり有効回答数のうち38.9%を占めた。電気業を除いた場合は、同立地件数は365件となり、有効回答数のうち44.5%を占めた。また、資本金1000万円未満の企業による立地は有効回答数のうち24.5%にあたる448件となり、前年から5.0ポイント増加した。電気業を除いた場合は、同立地件数は有効回答数のうち19.3%にあたる158件となり、前年から1.4ポイント増加した。
借地による立地件数は713件で、前年の366件から347件増加した。全立地件数に占める借地による立地の割合は38.1%で、前年から8.3ポイント増加した。また、電気業を除いた借地による立地件数は138件で、前年の179件から41件減少した。全立地件数に占める借地による立地の割合は16.6%で、前年から2.5ポイント減少した。
工業団地への立地件数は421件で、前年の459件に比べ38件の減少となった。全立地件数に占める工業団地への立地割合は22.5%で、前年に比べ14.9ポイント減少した。また、電気業を除いた工業団地への立地件数は336件で、前年の412件に比べ76件の減少となった。全立地件数に占める工業団地への立地割合は40.5%で、前年から3.4ポイント減少した。
県外立地(本社所在都道府県以外への立地)件数は724件、県内立地件数は1149件となり、全立地件数に占める県外立地の割合は38.7%となった。県外立地割合は、前年に比べ2.9ポイント増加した。また、電気業を除いた県外立地件数は276件、県内立地件数は553件となり、全立地件数に占める県外立地の割合は33.3%となった。県外立地割合は、前年に比べ0.8ポイント減少した。
立地件数を業種別に見ると、立地件数の多い順に(1)食料品166件(構成比8.9%)、(2)金属製品83件(同4.4%)、(3)生産用機械61件(同3.3%)、(4)輸送用機械57件(同3.0%)の順となった。前年との比較では、金属製品(前年128件→83件)、輸送用機械(前年79件→57件)、化学工業(前年65件→45件)、電子部品・デバイス・電子回路(前年38件→22件)などの15業種で減少し、鉄鋼業(前年37件→52件)、パルプ・紙・紙加工品(前年16件→29件)、印刷・同関連業(前年8件→20件)などの7業種で増加した。
電気業の立地件数は1044件(前年289件)、立地面積は6458万m²(前年2036万m²)と大幅な増加となった。
立地件数を地域ブロック別に見ると、件数の多い順に、(1)関東内陸450件(構成比24.0%)、(2)東海231件(同12.3%)、(3)北九州213件(同11.4%)となり、これら地域で全体の47.7%を占めた。電気業を除いた立地件数を地域ブロック別に見ると、件数の多い順に、(1)関東内陸160件(構成比19.3%)、(2)東海136件(同16.4%)、(3)南東北100件(同12.1%)の順となり、これらの地域で全体の47.8%を占めた。
立地面積では、上位から順に、(1)関東内陸(1257万m²)、(2)北九州(975万m²)(3)東海(936万m²)の順となり、これら地域で全体の42.0%を占めた。電気業を除いた立地面積では、上位から順に、(1)関東内陸(285万m²)、(2)東海(170万m²)、(3)北九州(91万m²)の順となり、これら地域で全体の50.8%を占めた。
立地面積の前年比では、増加面積が多い順に、(1)関東内陸729万m²増(前年528万m²→1257万m²)、(2)北九州585万m²増(同390万m²→975万m²)、(3)東海584万m²増(同352万m²→936万m²)となり、面積が減少している地域はなかった。また、電気業を除いた立地面積の前年比では、増加面積が多い順に、(1)北九州33万m²増(前年58万m²→91万m²)、(2)近畿内陸19万m²増(同68万m²→87万m²)、(3)関東内陸17万m²(同268万m²→285万m²)となったが、全国の半数の地域では減少している。
工場立地1件当たりの立地面積で見ると、北東北11.21(万m²/件)、北海道7.34(万m²/件)、南九州6.71(万m²/件)で大きく、南東北3.01(万m²/件)で小さくなっている。電気業を除いた場合の工場立地1件当たりの立地面積で見ると、南九州1.9(万m²件)、関東内陸1.78(万m²/件)、北九州1.78(万m²/件)で大きくなっている。
立地件数を都道府県別にみると、立地件数の多い順に、(1)茨城県(147件)、(2)群馬県(128件)、(3)北海道(109件)、(4)福岡県(98件)、(5)栃木県(78件)となった。
立地件数の前年比増減を都道府県別にみると、増加件数の多い順に(1)茨城県(96件増)、(2)群馬県(58件増)、(3)福岡県(46件増)、(4)山梨県(45件増)、北海道(34件増)となった。
また、電気業を除いた立地件数を都道府県別にみると、立地件数の多い順に、(1)茨城県(55件)、(2)兵庫県(51件)、(3)静岡県(50件)、(4)群馬県(47件)、(5)愛知県(45件)となった。
立地件数の前年比増減を都道府県別にみると、増加件数の多い順に(1)茨城県(25件増)、(2)山梨県(9件増)、(3)新潟県、山口県(7件増)、(5)高知県(4件増)となった。
立地面積を都道府県別にみると、立地面積の多い順に、(1)北海道(800万m²)、(2)茨城県(646万m²)、(3)福岡県(495万m²)、(4)青森県(422万m²)、(5)三重県(392万m²)となった。
また、電気業を除いた立地面積を都道府県別にみると、多い順に、(1)茨城県(117万m²)、(2)栃木県(86万m²)、(3)福岡県(81万m²)、(4)兵庫県(55万m²)、(5)岐阜県(52万m²)となった。
工場立地1件あたりの立地面積が大きかったのは、上位から順に(1)青森県(32.48万m²/件)、(2)愛媛県(19.94万m²/件)、(3)岡山県(11.74万m²/件)、(4)大分県(9.13万m²/件)、(5)三重県(9.12万m²/件)であり、一方で、1件あたりの立地面積が小さかったのは、(1)東京都(0.11万m²/件)、(2)石川県(0.75万m²/件)、(3)神奈川県(1.03万m²/件)、(4)福井県(1.15万m²/件)、(5)山梨県(1.21万m²/件)であった。
また、電気業を除いた場合の工場立地1件あたりの立地面積が大きかったのは、上位から順に(1)宮崎県(5.79万m²/件)、(2)栃木県(3.08万m²/件)、(3)福岡県(2.33万m²/件)、(4)京都府(2.31万m²/件)、(5)茨城県(2.13万m²/件)であり、一方で、1件あたりの立地面積が小さかったのは、(1)東京都(0.11万m²/件)、(2)愛媛県(0.17万m²/件)、(3)沖縄県(0.31万m²/件)、(4)長崎県(0.32万m²/件)、(5)大阪府(0.32万m²/件)であった。
工場立地における立地地点選定に際して、事業者が最も重視した項目は、(1)地価、(2)本社・他の自社工場への近接性、(3)周辺環境からの制約が少ないであった。また、電気業を除いた場合、事業者が最も重視した項目は、(1)本社・他の自社工場への近接性、(2)関連企業への近接性、(3)地価、市場への近接性であった。
新設立地に当たって重視した項目は、「最も重視した」、「重視した」を合計した数は「地価」が最も多かった。また、例年上位である「本社・自社工場への近接性」は今回も上位となっているが、「周辺環境からの制約が少ない」も重視されてきている。
また、立地に当たって「国・地方自治体の助成」、「地方自治体の誠意・積極性・迅速性」を重視したと回答した企業が、1765社(有効回答企業数)中、それぞれ、169社(9.6%)、234社(13.3%)あった。
電気業を除いた場合、新設立地に当たって重視した項目は、「最も重視した」では、「本社・他の自社工場への近接性」、「重視した(複数回答)」においても、「本社・他の自社工場への近接性」が最も多かった。また、立地に当たって「国・地方自治体の助成」、「地方自治体の誠意・積極性・迅速性」を「最も重視した」もしくは「重視した」と回答した企業が、741社中、それぞれ137社(18.5%)、108社(14.6%)あった。
海外立地を検討した企業は75社(前年77社)あり、これらの企業が最終的に国内での立地を選択した理由は、「最も重視した」では「国・県・市・町・村の助成・協力」、「市場への近接性」、「関連企業への近接性」などが各3件、「重視した」では「国・県・市・町・村の助成・協力」、「市場への近接性」、「良質な労働力の確保」などが多かった。
電気業を除いて、海外立地を検討した企業は53社(前年69社)あり、これらの企業が最終的に国内での立地を選択した理由は、「最も重視した」では「原材料等の入手の便」や「市場への近接性」、「関連企業への近接性」、「国・県・市・町・村の助成・協力」が多く、「重視した」では「国・県・市・町・村の助成・協力」、「市場への近接性」などが多かった。
研究所の立地件数は15件で、前年比で3件の減少となった。都道府県別では京都府が4件、千葉県、神奈川県、徳島県が各2件であった(電気業を除いた場合も同様)。
研究開発機能の付設予定件数は193件で、前年比で5件の増加となった。地域別で立地件数が多いのは関東内陸(32件)、東海(28件)、関東臨海(24件)となった。電気業を除いた研究開発機能の付設を予定している事業者数は190件で、前年比で6件の増加となった。地域別で立地件数が多いのは関東内陸(31件)、東海(28件)、関東臨海(24件)となった。
外資系企業(外資比率50%以上の企業)の工場立地件数は42件で、前年比で20件の増加となった。地域別で立地件数が多いのは関東内陸(12件)、北九州、南九州(各6件)、東海、山陽(各3件)であった。
また、電気業を除いた外資系企業の工場立地件数は10件で、前年比で1件の減少となった。地域別にみると、関東内陸、東海(各3件)、近畿内陸(2件)、関東臨海、近畿臨海(各1件)であった。