エルピーダメモリ(現マイクロンメモリジャパン)のウエハーテスト部門を前身とする(株)テラプローブは、強みとするDRAMの受託テストをベースに、非メモリー分野の受託テストやパッケージ工程への進出など、ここ数年で業容の拡大に取り組んできた。主要顧客の旧エルピーダがマイクロン傘下になるなど、今後の事業展開に一抹の不安も残るが、同社を率いる渡辺雄一郎社長は強気の姿勢を崩さない。同氏に現在の事業概況と今後の展開について伺った。
―― まずは残り1カ月足らずとなった2013年度(14年3月期)を振り返って。
渡辺 期初段階との比較では「思ったほど悪くないな」というのが本音だ。当初は主力のDRAM受託テストが市況の変動から若干落ち込むと思っていたが、モバイルDRAMの旺盛な需要などにより、年度を通じて好調をキープしている。また、非メモリーの受託テストに関しても九州事業所(熊本県)で行っている車載用マイコンの事業が大きく伸びた。
一方、WLP(ウエハーレベルパッケージ)などのパッケージ分野については、足元は回復基調にあるものの、13年9月ごろまで調整局面が続き、厳しい事業環境が続いた。ただ、全体的にはDRAMの受託テストの好調に支えられ、13年度の売上高は前年度比2%増の218億円、営業損益も黒字転換を達成できる見通しだ。
―― 広島のDRAMテストはエルピーダがマイクロン傘下になっても事業は続きますか。
渡辺 広島工場で前工程を行ったものに関しては、基本的に当社の広島事業所でウエハーテストを行うオンサイトオペレーションは当面続く見通しだ。ただし、エルピーダとマイクロンはテストに対する考え方が随分違う。端的にいえば、エルピーダはウエハーテストが重く、ファイナルテストが軽い。対照的にマイクロンはウエハーテストが軽く、ファイナルテストで振り落とすという発想だ。
(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2014年3月26日号4面)