■発刊趣旨とご購入のご案内

　総務省統計局によると、日本の高齢者人口は、1950年以降一貫して増加し続けてきましたが、2023年9月時点で初めて前年比約1万人減少の3623万人となりました。しかし、人口減少により総人口に占める高齢者の割合は29.1%と過去最高を記録。また、団塊の世代（1947～1949年生まれ）を中心に75歳以上の人口は初めて2000万人を超え、さらに10人に1人が80歳以上という超高齢化社会に突入しています。日本の高齢者人口は200カ国の世界の中でも最高の割合です。
　厚生労働省の介護保険事業状況報告（24年2月末時点）では、要介護・要支援認定者数は23年4月時点の公表から約25万人増の707万人で、保険給付費の総額は、9138億円（高額介護・介護予防サービス費、高額医療合算介護・介護予防サービス費、特定入所者介護・介護予防サービス費を含む）となっています。
　第9期介護保険事業計画（24～26年度）は、高齢化社会が迎える25年問題、さらに高齢者人口がピークを迎える40年を見据え、地域の介護サービス基盤を計画的に見直し、整備していくことが求められます。9期計画では、地域包括ケアシステムのさらなる整備促進やデジタル技術を活用した医療と介護基盤の整備、在宅サービスとの連携など踏まえた中長期的な計画として位置づけられています。
　本書では、高齢化の進展に伴う医療・介護需要の増加と在宅誘導施策により、介護保険施設、医療機関、民間企業にとって大きなビジネスチャンスが続いていると捉え、福祉・介護施設の最新動向をまとめました。第1章では高齢者福祉政策と市場動向、調査リポート（福祉施設の経営状況、倒産動向など）、保健福祉計画・介護保険事業計画の現状と展望、サ高住の整備状況、福祉・介護のまちづくり、介護ロボット・ICT導入と人材確保の6つに区分し、国の高齢者福祉政策や帝国データバンクによる老人福祉事業者および医療機関の倒産動向、保健福祉計画・介護保険事業計画、サ高住や高齢者化社会における地域のまちづくりといった全国各地で行われている取り組みを紹介しています。
　また、第2章では高齢者住宅・介護事業大手60社以上の最新動向を紹介し、第3章および第4章では、各都道府県の保健医療計画ならびに予算の状況、そして特養ホーム、老人保健施設、特定施設、グループホーム、小規模多機能型居宅介護、サ高住などの個別計画1200件以上を収録しました。

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■内容構成（予定）