■発刊趣旨とご購入のご案内

　電子部品業界では、日本の存在感が際立っている。電子情報技術産業協会の調べによれば、2022年の世界の半導体生産額は74兆6042億円(5801億ドル)。このうち、日系企業の生産は約8％相当の6兆1575億円です。これに対し電子部品は、同年の世界生産額が31兆111億円(2411億ドル)。日系企業はこのうち10兆4106億円の生産額を誇り、実に世界市場の約34％を制しているのです。

　2023年はWithコロナによる新常態、世界の経済活動も本格始動での幕開けとなっています。コロナ禍で牽引した巣ごもり需要が一巡する一方で、環境対策となる自動車の電動化、各種電子機器の省電力化、AI／クラウド活用によるIoT化など、世界的なカーボンニュートラル社会への大きな潮流は、まさに半導体・電子部品の活躍の舞台となります。また、世界的な５G／beyond 5G通信に向けた高機能化なども電子部品需要を加速させ、員数増を促進。同時に、高信頼性・高性能な電子部品製品群が性能を左右する度合いが増していきます。高機能スマホやウエアラブル端末の果たす役割も高まり、小型・低背・軽量などハイエンド品がこれまで以上に求められます。電動車では大電流・高耐圧・AEC-Q200など厳しいスペック要件に応える電子部品が必須であり、日本が得意とするハイエンド領域の電子部品がますます貢献します。こうした状況下、中長期の需要拡大へ、電子部品各社は積極的な増強投資で着実に布石を投じています。一方で、業界の垣根を超えたコラボレーションによるソリューション展開の取り組みも加速しています。

　こうした電子部品業界のマクロ情勢を勘案し、本書構成では巻頭企画で協業・共創によるソリューションで未来に挑戦する各社の取り組み、コンデンサー陣営の中長期への積極投資および材料から一貫の日本勢の強さ・商機、さらにタイミングデバイス陣営の積極展開の様相にスポットを当てています。また、第１章以降は主要アプリケーション動向、半導体・電子部品全体市場動向、主要電子部品の最新動向など電子部品を取り巻く環境を捉えながら、主要電子部品メーカーの動きを報告します。「電子デバイス産業新聞」編集スタッフ執筆による一般電子部品業界を網羅した１冊となります。

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■内容構成