ChinaTech 中国・電子デバイス
産業レポート 2022-2023年版
半導体・FPD・LiB関連企業136社の2020-24年の実績と予測を網羅
○中国製造2025の水面化で進む「半導体の国産化戦略」
○「半導体の設計・前工程・後工程」の主要企業を徹底取材
○中国市場シェア10%に躍進した国産装置メーカー総力まとめ
○世界最大のパネル製造国の「大型LCDと有機EL」投資案件を解説
○新エネ車シフトによる「中国LiB・材料企業」を多数紹介
○ポストファーウェイの中国スマホメーカー「HOXV」の最新動向
体裁・頁数:B5判、524頁
発刊日:2022年7月25日
ISBN:978-4-88353-352-7 C3055 \40000E
定価 44,000円(税込)
■発刊趣旨とご購入のご案内
本書は、2018年に発行した同書の初の改訂版である。この本の執筆のため、中国の有力な電子デバイス企業など136社のこの3年間の事業経過を調べ直して、企業編としてまとめた。その作業過程で、この3年間に想像以上の変化がラッシュのように続いたことを再確認した。米中デカップリングや新型コロナ、気候変動、ロシアのウクライナ侵攻、米国の金利政策の転換など、世界情勢はまさに一変した。半導体業界を見回しても、米国の対中制裁や半導体不足が起き、サプライチェーンの強靭化が叫ばれて、半導体は国家の戦略物資だと再認識されるようになった。
本書では、米国制裁を受けたファーウェイやSMIC、国産化に成功した中国メモリー企業(YMTCやCXMT)や半導体装置メーカー(NAURAやAMEC)、世界トップクラスに躍進した企業(BYDやBOE、JCET、シャオミー)など、中国デバイス業界の最前線を知るうえで、重要な企業について詳細に解説した。各企業編の文章の書き出し部分には、その企業の概略と最新動向を要約してあるので、時間のない読者はその部分だけでも目を通していただけたらと願う。
また、掲載した136社の情報を日本語でネット検索したところ、かなりの企業の情報がヒットしない、もしくは有益な情報がほとんど記載されていなかった。業界トップ数社の情報は豊富に見られるが、それ以下になると途端に情報が見当たらなくなった。中国デバイス関連企業の情報が日本語でここまで詳細に記述されたものは、ネット情報も含めて本書のほかにはほとんど見当たらないと自負している。
その一方で、中国語で検索すると、数年前よりも情報量が多くなっていた。特に、この2~3年で株式上場した企業が増え、決算データなどが公開されるようになったからだ。その反面、中国語のネットの中には不確かな情報や噂レベルのニュース転用が氾濫していて、疑問点を見つけてはその企業や業界の友人に確認して不足を補った。
今回の改訂では、読者のニーズに合うように、掲載する業界と企業の取捨選択を行った。半導体(前工程)企業は前回の28社から約50社に、半導体(設計)企業は前回の21社から約30社、半導体(後工程)企業は前回の5社から8社に増やした。また、半導体(装置)の大手企業5社を新たに掲載した。FPD企業とスマホ企業の掲載は前回と同じだが、2次電池メーカーは前回の13社から16社に追加し、さらに2次電池材料企業の5社を追加した。その代わりに、前回掲載した太陽電池関連と新エネルギー車の項目は、巻頭特集で詳しく解説することにした。総じてみると、本書は半導体の情報量が圧倒的にグレードアップした出来栄えとなった。
本書の執筆期間は、ちょうど上海ロックダウンの22年4~5月と重なった。都市封鎖で外出できないことも、本書の執筆に集中するのにはよい機会となった。
中国のゼロコロナ政策と都市ロックダウンは新たなチャイナリスクともいえるし、チャレンジポイントともいえるだろう。監視カメラやドローン、自動運転、公共サービスの自動化、遠隔医療、デジタル通貨など、ハイテク技術を駆使したデジタルインフラ建設で中国は独自の発展を加速することになるだろう。日本と中国の多くの分野で、技術のパワーバランスが逆転している現象が目に付くようになった。中国は市場と生産力としての優位性だけでなく、この3年間で技術開発においても台頭し始めた。中国ハイテク企業の存在は、もはや無視できないものとなった。
本書は、中国の電子デバイス業界の最新事情を収録し、中国の電子デバイスの市場と製造、投資計画を体系的に捉えた総合書である。本書の取材・執筆・編集にあたっては、日中の業界企業の多くの方々にご協力をいただき、ここに御礼を申し上げる。『電子デバイス産業新聞』の上海支局長の私が3カ月かけて1人で執筆に取り組んだが、巨大な中国を相手に理解不足などから間違った記述箇所があるかもしれない。読者諸賢のご批判、ご助言、ご叱正をお願い申し上げる。
■内容構成
- ◆第1章
- 巻頭特集①
- 中国のエレクトロニクス業界における米中デカップリングの影響
- 巻頭特集②
- デジタルインフラ投資の取り組みとデバイス業界への影響
- 巻頭特集③
- カーボンニュートラル(~2060年)に向けた新エネルギーシフト
- ◆第2章 半導体(前工程)
- 半導体(前工程)産業の全体動向
- YMTC 長江存儲科技/CXMT 長鑫存儲科技/インテル大連 英特爾半導体(大連)/サムスン西安 三星半導体(西安)/SKハイニックス無錫 SK海力士半導体/海辰半導体 海辰半導体/ユニグループ 清華紫光集団/JHICC 晋華集成電路/CHJS 成都高真科技/AMS 江蘇時代芯存半導体/イノスター 昕原半導体/SMIC 中芯国際集成電路制造/SMEC 紹興中芯国際集成電路制造/HHセミコン 華虹半導体/HHグレース 上海華虹宏力半導体制造/ホワリー 上海華力微電子/HH無錫 華虹半導体(無錫)/HH-CICEM 上海集成電路研発中心/TSMC 台積電(中国)/HEJIAN 和艦科技(蘇州)/USC 聯芯集成電路製造(厦門)/XMC 武漢新芯集成電路製造/ネックスチップ 合肥晶合集成電路/キャンセミ 広州粤芯半導体技術/シーオン 芯恩(青島)集成電路/AOS 重慶万国半導体科技/ギャラクシーコア 格科微電子/ウイングテック 鼎泰匠芯科技(上海)/CRマイクロ 華潤微電子/CSMC 華潤上華半導体/CRマイクロ(重慶) 華潤微電子(重慶)/ASMC 上海先進半導体製造/シランマイクロ 士蘭微電子/CRRC 株洲中車時代電気/ジーター 積塔半導体/YDME 燕東微電子/BYD 比亜迪半導体/SITRI 上海微技術工業研究院/CISEMI 浙江創芯集成電路/ハイチッフ゜マイクロ 浙江海芯微半導体科技/サイレックス 賽莱克斯微系統科技(北京)/YCM 長春長光圓辰微電子技術/ハイクマイクロ 海康微像伝感科技/メムソニックス 武漢敏声新技術/ジエジエ・セミコン 捷捷半導体(南通)/サンアン・セミコン 三安半導体(長沙)/イトア 英唐芯科技(成都)/マカオセミ 澳芯集成電路技術/TCLマイクロチップ TCL微芯科技
- ◆第3章 半導体(設計)
- 半導体(設計)産業の全体動向
- ハイシリコン 海思半導体制造/ZTEマイクロ 中興微電子技術/パインコーン 小米松果電子/ZEKU 哲庫科技/VIVO 維沃移動通信/Uni-SOC 紫光展鋭科技/旧スプレッドトラム 展訊通信/旧RDAマイクロ 鋭迪科微電子/西安Uni-IC 西安紫光国芯半導体/リードコア 聯芯科技/ロックチップ 瑞芯微電子/オールウィナー 全志科技/アクションズセミコン 炬芯(珠海)科技/インジェニック 君正集成電路/ギャラクシーコア 格科微電子/スマートセンス 思特威科技/グディクス 匯頂科技/ウィルセミコン 韋爾半導体/スーパーピクス 思比科微電子技術/マイクロアレイ 蘇州邁瑞微電子/ギガデバイス 兆易創新科技/ジャオシン 兆芯集成電路/ピントーガー 平頭哥半導体/カンブリコン 寒武紀信息科技/ビットマイン 比特大陸科技/BDスターナビ 北斗星通導航技術/ベイガナビ 北伽導航科技/ICDC 国家高性能集成電路設計中心
- ◆第4章 半導体(組立・検査)
- 半導体(組立・検査)産業の全体動向
- JCET 長電科技/トンフーマイクロ 通富微電子/ホワティエン 華天科技/WLCSP 晶方半導体科技/タイジー/ハイテック 太極半導体/海太半導体/フォーホープ 甬矽電子/ペイトン 沛頓科技/Uni-MOS 紫光宏茂微電子
- ◆第5章 半導体(製造装置)
- 半導体(製造装置)産業の全体動向
- NAURA 北方華創微電子装備/AMEC 中微半導体設備/ACMリサーチ 盛美半導体設備/キングセミ 芯源微電子設備/パイオテック 拓荆科技
- ◆第6章 FPD(LCD・有機EL)
- FPD(LCD・有機EL)産業の動向
- BOE 京東方科技集団/CSOT TCL華星光電技術/HKC 恵科股份/SIO 超視堺顕示技術/CEC咸陽 咸陽彩虹光電科技/CATIC 中航光電子/IVO 龍騰光電/センチュリー 深超光電/天馬微電子 天馬微電子/ビジョノックス 維信諾科技/EDO 和輝光電/トゥルーリー 信利半導体/ロヨル 柔宇科技/ライバオ 莱宝高科技/旧サムスン蘇州 蘇州三星電子液晶顕示器科科技/LGD広州 楽金顕示(広州)/AUO 友達光電(昆山)/MDT 福建華佳彩
- ◆第7章 2次電池(LiB・Ni-MH)
- 2次電池(LiB・Ni-MH)産業の動向
- CATL 寧徳時代新能源科技/BYD 比亜迪/グオシュエン 国軒高科動力能源/CALB 中創新航科技/EVEエナジー 億緯鋰能/エスボルト 蜂巣能源科技/ファラシス 孚能科技/TNバッテリー 天能電池/リーシェンバッテリー 力神電池/インロンエナジー 格力鈦新能源/ワンシャン123 万向一二三/コルンニューエナジー 科力遠新能源/BAKバッテリー 比克電池/B&Kリチウムイオンバッテリー 邦凱新能源/チューノン・ニューエナジー 楚能新能源/オプティマムナノ 沃特瑪電池
- ◆第8章 2次電池(LiB・Ni-MH)材料
- 2次電池(LiB・Ni-MH)材料産業の動向
- シャンシャンテック 杉杉新材料科技/BTRニューエナジー 貝特瑞新能源材料/TINCI 天賜高新材料科技/HUARONG 国泰華栄化工新材料/CAPCHEM 深圳新宙邦科技
- ◆第9章 スマートフォン
- スマートフォン産業の動向
- ファーウェイ 華為技術/オナー 栄耀終端/シャオミー 小米科技/OPPO 欧珀移動通信/vivo 維沃移動通信/ZTE 中興通訊/トランション 伝音控股