■発刊趣旨とご購入のご案内

　2021年は、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要によりFPD市場は好調に推移したものの、年央にはその一服感も出たことで一転、パネルの供給過剰による急激な価格下落に見舞われるなど、激動の市場動向となりました。22年は供給過剰が深刻化する予測が出されていますが、価格下落による再びの需要喚起も見込まれ、各パネルメーカーや部材メーカーの動向に注目です。
　また、巣ごもり需要によるバブルがはじけたのち停滞するかに見えるFPD市場は、その実アグレッシブな動きを見せています。需要が拡大したIT系パネルの需要は今後も堅調に推移する見通しで、すでにその動向を見込んだパネルメーカーは生産拡大に踏み切っています。数量や大型化で市場を席巻してくる中国メーカー、高機能、ハイエンド化で差別化を図る韓国メーカーなど、各社動向から目が離せません。
　スマーフォンで数量を拡大してきた有機ELは、その搭載機器をさらに伸ばしていく見通しです。スマートフォンだけでなくIT系パネルやテレビでも採用数量を伸ばし、私たちが新しいパネルを体験できることが多くなっていくことでしょう。また、ミニLEDによるバックライトの高性能化により、ローカルディミングを駆使した高機能な液晶モニターなども堅調に増えていく見通しです。
　さらに、プラットフォーマーたちが開発に注力するスマートグラスの動向からも目が離せません。メタバースが勃興したことにより、ヘッドマウントタイプのスマートグラスの普及が拡大しています。この流れは、透過型のスマートグラスにもおよび、様々な機種の発表が相次いで出てきています。22年は同様の動きが加速していく見通しで、これもまた世の中の関心を集めていくでしょう。
　本書は、FPD業界をマクロ的な視点から、またこれに参入している個別メーカーのミクロなデータを一冊にまとめ、毎年ご好評をいただいているロングセラーです。主要FPDの網羅と、パネル別・各社別に市場戦略や設備投資計画、研究開発の動向を最新の取材で解説しているほか、韓国・台湾・中国の最新事情も収録、世界のFPD産業を体系的にとらえた総合書に仕上げております。FPDメーカーおよび関連業界各社の取材・執筆・編集には、弊社が発行する『電子デバイス産業新聞』編集部が当たりました。

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■内容構成