■発刊趣旨とご購入のご案内

　電子情報技術産業協会の調べによれば、2021年の世界の半導体生産額は60兆516億円(5530億ドル)。このうち、日系企業の生産は約9％相当の5兆2448億円です。これに対し電子部品は、同年の世界生産額が27兆5709億円(2539億ドル)。日系企業はこのうち9兆4764億円の生産額を誇り、実に世界市場の約34％を制しているのです。

　コロナ禍からの幕開けとなった2021年でしたが、リモートワーク、リモート学習によるPC、データセンター、ゲーム機など2020年からの継続需要により、半導体、電子部品ともに堅調推移しました。さらに世界的なカーボンニュートラル社会への大きな潮流は、環境対策となる自動車の電動化、各種電子機器の省電力化、AI／クラウド活用によるIoT化など、まさに電子部品の活躍の舞台となります。また、世界的な５G／beyond 5G通信に向けた高機能化なども電子部品需要を加速させ、員数増が確約された状況へと突入しています。５G／beyond 5G以降のスマホでは、小型・低背・軽量などハイエンドな技術を伴う電子部品、電動車では大電流・高耐圧・AEC-Q200など厳しいスペック要件に対応できる電子部品が必須であり、日本が得意とするハイエンド領域の電子部品が求められています。また、電子部品メーカー各社で生産工程の自動化促進による生産効率向上などのDX化も精力的に進められており、収益性向上に向けた動きも活発化しています。

　こうした電子部品業界のマクロ情勢を勘案し、本書構成では巻頭企画で環境対応車シフト加速・自動走行・ADAS進化で拡大する電子デバイス需要、その電子デバイスの中でも5G・IoT・環境対応車へ高まっている水晶デバイス需要にスポットを当てています。また、第１章以降は主要アプリケーション動向、半導体・電子部品全体市場動向、主要電子部品の最新動向など電子部品を取り巻く環境を捉えながら、主要電子部品メーカーの動きを報告します。「電子デバイス産業新聞」編集スタッフ執筆による一般電子部品業界を網羅した１冊となります。

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■内容構成