■発刊趣旨とご購入のご案内

　新型コロナウイルスにより流通業界は一変しました。小売業界においては外出自粛により、いわゆる『よそ行き』の衣料品などが苦戦し、観光業はインバウンドが戻る気配はなく、東京オリンピックに向けて急ピッチで進んだホテルは空室が目立ちます。また、これまで一等地であった駅ビルなど都心立地の苦戦は続いています。
　こうした危機を乗り越えるべく、各業界で様々な取り組みが進んでいます。小売りではファッション、スーパー、百貨店など様々な業種がECを拡大し、2020年度の決算においてECの売り上げが数十％伸びた企業は珍しくありません。いまや家にいながら多くのものを手に入れることができるようになりました。また、DXへの対応も急激に進み、省人化や非接触などを目的にロボットやAIなどを積極的に活用しています。これまでDXの導入が遅れているという指摘もあった流通・外食業界ですが、「時代が10年進んだ」という声もあるほどです。その一方で店舗ありきだったビジネスから脱却し、店舗のあり方を再考し、店舗網を再編する企業も現れ、各社は「ニューノーマル」への対応を急いでいます。
　こうした新しい時代を迎える中、商業施設計画総覧は流通業界の戦略について詳述するとともに、全国の商業施設や、再開発、小売店、ホテルなどの開発・出店案件を紹介しています。これにより今後の商業施設や店舗、街づくりの動向や方向性を捉えることができるでしょう。
　本書は5章構成とし、第1章では、22年以降にオープンする注目の商業施設や街づくりの動向について詳述しています。第2章では、流通業界の企業動向として19業界・184社の戦略、動向、出店計画などをレポートしています。第3章、第4章では、大型店、SC、市街地再開発ビル、商業ビル、飲食店ビル、シネコン、アミューズメント施設、スポーツクラブ、結婚式場、ホテル、物流施設など、商業施設全般の出店計画を掲載しました。第5章は、関連資料編として大規模小売店舗立地法の新設届け出状況を収録し、読者の利用の便に供するよう努めました。

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■内容構成