■発刊趣旨とご購入のご案内

　2021年のプリント回路業界は、長期化する新型コロナの悪影響をはねのけ、一気にデジタルトランスフォーメーション（DX）やIoT化が加速し、リモートワーク・遠隔授業の普及とも相まって、好調を維持する見通しです。期待されるミリ波対応スマートフォン（スマホ）や関連基地局需要の盛り上がりに欠けるものの、23年以降にかけて徐々に普及が進むものとみられます。
　米中貿易摩擦など依然、政治的な問題や折からの車載用半導体不足の影響でエレクトロニクス／電子回路産業へのダメージも危惧されるところです。しかし、一方で加速するDX化や脱炭素化社会の機運が一気に高まっていることから、新たな産業の芽が育つ気配もあります。感染症拡大対策として本格運用されだしたテレワークやロボット配送・サービスなどです。需要やニーズのちょっとした変化の兆しをしっかりと把握することが大事になります。ますますエレクトロニクス産業への期待が高まっているのです。
　中長期的には5Gという次世代通信が世界的に整備されることで、膨大で多様なエレクトロニクス製品の需要創出につながることが期待されます。高速で大量データの情報処理に対応したデータセンターの整備も必須です。また、先の脱炭素化社会に向けて自動車業界もエコカーニーズの拡大を背景に、5Gなど高速伝送通信技術がマストとなる先進運転支援システム（ADAS）などの導入比率の上昇で、車への基板搭載比率が増加傾向にあります。EV化や自動運転化の流れが加速しており、車の電動化は電子回路業界にとっては中長期的に追い風となりそうです。
　これからもエレクトロニクス技術が社会に貢献していく構図は変わらないでしょう。その役割はますます重要になってきます。これは、回路メーカーのみならず部材・装置メーカーにとっても新たな成長機会となります。
　本書『プリント回路メーカー総覧2021年度版』は、ビルドアップ基板、半導体パッケージ基板、車載用基板といった成長分野を網羅しつつ、各社別に市場戦略や設備投資計画の動向を最新の取材で解説しているほか、韓国・台湾などの最新事情も収録し、世界のプリント回路産業を体系的に捉えた総合書に仕上げております。

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■内容構成