■発刊趣旨とご購入のご案内

　WSTS（世界半導体市場統計）によると、2018年の半導体市場は前年比12％増の4634億ドルと3年連続のプラス成長が見込まれます。16年後半からのNANDやDRAMを中心としたメモリー価格の高止まりが17年は年間通じて寄与し、前年比22％増という驚異的な成長を達成して初の4100億ドル強の大台に乗りました。

　世界は新たにIoTに代表されるポストPC／スマホを模索する時代に入りつつあり、ネットにつながる各種機器の爆発的な市場形成が期待されそうです。ドイツの進めるインダストリー4.0やM2Mなどの概念が提唱され、生産工程での徹底的な効率化の動きが莫大なセンサー需要を呼び起こすと予想されています。AI（人工知能）との融合によるこれまでにない高度な産業・社会インフラが形成される可能性があります。

　今後の半導体需要を牽引するものとしては、依然、高機能スマホなどの先端モバイル機器に加えて、車の自動運転技術、さらにIoTやAIといった新たな技術・社会構造変化に伴う新サービス・商品の登場に注目が集まります。EV、医療・介護ロボット分野など、関連する半導体デバイスを牽引する大物アプリケーションも続々と登場してきます。IoT／車／FA・ロボットがキーワードとなり、これらの関連市場が半導体需要を牽引する――これが18年度以降の国内半導体市場の将来図となります。

　本書は、このように急ピッチで様相を変えていく半導体業界の今に迫りながら、マクロからミクロまでの動向を的確に捉えるものとして、1982年に創刊しました。今版では、日本および世界の半導体各社の生産計画、投資計画、研究開発動向、製品別動向などについて内容を刷新するとともに、グラフなど図表を多数掲載し、勢いのある韓国・台湾・中国勢の最新動向を盛り込むなど、利用の便を図るよう努めました。

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■内容構成