■発刊趣旨とご購入のご案内

　2016年のプリント配線板業界は、これまで市場を大きく牽引してきたスマートフォン（スマホ）の台数成長が鈍化傾向になるなど、業界を取り巻く環境が大きく変化しております。17年のスマホ出荷台数は引き続き1桁台前半の成長にとどまる見通しで、台数増による需要拡大は年々難しくなってきています。

　スマホ用基板では16年から大きな変化が生まれています。従来、スマホ用プロセッサーはFC（フリップチップ）CSPを採用し、パソコン用CPUに代わるパッケージ基板の新たな主戦場と位置づけられていましたが、基板のファンアウトパッケージの登場に伴い、大きな岐路に立たされています。

　一方で、メーンボードも細線化・薄型化要求に伴い、技術的に大きな転換期を迎えようとしています。具体的には、「SLP（Substrate like PCB）」や「サブストレートHDI」と呼ばれる、パッケージ基板の製造方法を用いた高密度メーンボードの登場です。基板メーカーや部材メーカーでは新たな市場として期待を寄せており、17年以降に本格的な市場立ち上がりが予想されています。

　また、従来の電装化に加え、自動運転が注目を集めている自動車も大きなアプリケーションとして飛躍を遂げています。ADAS（先進運転システム）の普及を見据え、ミリ波レーダーの搭載が加速度的に進むなど、専用の特殊基板の需要も拡大基調にあります。

　本書『プリント回路メーカー総覧2017年度版』は、ビルドアップ基板、パッケージ基板、車載用基板といった成長分野を網羅しつつ、各社別に市場戦略や設備投資計画の動向を最新の取材で解説しているほか、韓国・台湾などの最新事情も収録し、世界のプリント配線板産業を体系的に捉えた総合書に仕上げております。

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■内容構成