電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2015/7/30(2153号)主なヘッドライン
車載用パワー半導体、SiCで実装環境高温化
電子部品の信頼性半減も、信頼性の再構築不可欠に

 ハイブリッド車(HV)のインバーターに、SiCパワーデバイスの搭載が始まる。SiCパワーは自動車メーカーに数多くの恩恵をもたらす。高耐圧化と低損失化に伴うパワー搭載部のコンパクト化に加え、高耐熱性が水冷を不要とし、空冷による省スペース化とコストダウンを一石二鳥で獲得できる。だが、そのしわ寄せは、実装環境の高温化というかたちで基板や電子部品に押し寄せる。

 HVインバーターユニットは、パワーモジュール搭載部を真ん中、下に冷却部、上に制御系基板というサンドイッチ構造で構成される。モジュール内のパワーデバイスにはIGBTが採用され、充電用や駆動用モーターを制御するインバーターでは、発熱の大きいIGBTモジュールを冷却フィンの上に実装する。
 IGBTチップの数は、回路方式やモーターの馬力に応じて複数個が搭載される。HV走行時、IGBTは最高150℃の高温になる。自らの発熱で保証動作温度を超えた場合、デバイス破壊を起こすため水冷式で冷却される。
 パワーデバイスはスイッチング動作が主体で、1つ1つのスイッチング素子に制御回路と保護回路が必要になる。この役目を担うのが制御系基板だ。ハロゲンフリーのガラスエポキシ基板で、多層構造のマザーボードである。ここに抵抗器やコンデンサー、インダクタなどの受動部品に加え、マイコン、IC、小信号トランジスタ、MOSFET、レギュレーター、フォトカプラなどの能動部品も搭載される。搭載員数は最小でも数百個。ボードサイズが大きい場合は、数千個もの電子部品を搭載する。基板サイズはIGBTチップの搭載数と連動しており、チップ数が増えるほど電子部品の員数も増え、基板サイズも大きくなる。

(以下、本紙2015年7月30日号1面)



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